「小沢事件」のポイントは、東京地検特捜部の「暴走」問題から、世論調査による情報操作という大新聞やテレビなどの駆使する方法、いわゆる情報メデイアの政治性という問題に移りつつあるといっていいが、そこで、僕がもっとも興味をそそられ、最近、徹夜で熟読し、感動した書物が、『日本テレビとCIA…発掘された「正力ファイル」』(有馬哲夫著、新潮社、2006/10/20)だったと言っていいが、この書物を読んだことのある人と読んだことのない人とでは、新聞やテレビに対する考え方には、思想的に大きな落差が出てくると思われる。
敗戦直後の米軍による情報統制については、江藤淳の『閉ざされた言語空間』があり、ほぼ明らかになっているといっていいが、サンフランシスコ講和条約以後、つまり米軍占領が終わり、名目的には日本が独立した後のメディアの問題は、つまり、保守合同がなり、「55年体制」が開始して以後における米CIAの「テレビによる永続的日本支配の野望」は、この書物を読まない限り、真相は分からないだろうと思う。
テレビも新聞も、まつたく当てにならないと言うこと、つまりテレビも新聞も、日本国民の方を向いていないと言うことが分かった今回の「小沢騒動」は、一挙にその真相を、日本国民の目前に暴露したと言っていい。
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