浜矩子 菅流・成長戦略は年寄りの冷や水 成熟国のモデルケースを示すべし
大きな経済規模を持つ先進国のなかで、イギリスは成熟国に相応しい経済のあり方を示すモデルケースにはなれなかった。北欧諸国が成熟国のモデルケースとして注目されることもあるが、何せ北欧諸国は経済規模が小さい。
日本のように、大きな経済規模を持ちながら、急速に少子高齢化が進み、成熟国になっていくという事例は、世界でも初めてのことになる。
日本は中国などの新興国と成長率競争をする前に、これから成熟経済に入っていく国々のため、「これが本当の成熟国だ」というモデルケースを示すべきだろう。
そのために必要なのは、決して高い経済成長率ではない。しっかりとした地域経済の基盤を築き、誰もが住みやすい社会にしていくことだ。
