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当面の金融政策運営について(現状維持、12時28分公表) (PDF, 114KB)

当面の金融政策運営について


1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注))。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。


2.わが国の景気は、海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある。すなわち、新興国経済の高成長や世界的な情報関連財需要の拡大などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。設備投資は持ち直しに転じつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。そうしたもとで、個人消費は持ち直し基調を続けている。公共投資は減少している。この間、金融環境をみると、緩和方向の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている。


3.先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、回復傾向を辿るとみられる。
物価面では、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移するとの想定のもと、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小していくと考えられる。


4.リスク要因をみると、景気については、新興国・資源国の経済の更なる強まりなど上振れ要因がある。一方で、国際金融面での動きなど下振れリスクもある。この点、一部欧州諸国における財政・金融状況を巡る動きなどが、国際金融資本市場の動きを通じて内外の経済に与える影響に注意する必要がある。物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした資源価格の上昇によって、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。


(注)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、須田委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員。
反対:なし。


5.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。