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「1ドル85円の円高は想定内」という論理|辻広雅文 プリズム+one|ダイヤモンド・オンライン

 私たちが、2008年9月のリーマンショックによる世界金融危機によって思い知らされたのは、もはや“米国一極集中経済“には依存できないということだった。もう少し正確に記せば、世界中のほとんどの国が経常収支黒字のなかで、米国だけが赤字であるというグローバルインバランス(世界的な経常収支の不均衡)は持続できない、いつか破綻するという事実であった。つまり、高いリターンを求めて米国一国に世界中の資金が集中し、資本が投下されることによって、世界が好景気を維持することなど不可能だ、ということである。


 世界経済は今、そのグローバルインバランスが是正される過程にある。米国は熱狂的な消費など影を潜め、輸入が減り、経常赤字は減っていく。集められる資金、投下される資本は減少する。日本は逆に、輸出が減り、投資機会が減少するから経常黒字が縮小する。国内消費が相対的に増加する。この間に進行するのは当然、「円高・ドル安」なのである。

 そして、昨年から欧州では財政危機問題が各国にのしかかり、解決のめどなど立ちようがない。復調しかかったに見えた米国経済は、6月頃からにわかに変調し、“日本型デフレ”の入り口に立っているとの見方が広がり、危機感が増している。当然のごとく、ユーロもドルも売られ、欧州も米国も輸出に経済好転の光明を見出そうとして、自国通貨の下落を放置している。


 経済の勢いの強さからすれば、中国の元が上昇してしかるべきなのだが、依然として国家管理通貨なので叶わず、おカネは相対的強さを求めて一斉に円に向かった。

 彼らはマスメディアの公式取材には、円高への危機感を露わにして経営への打撃を強調するが、本音では少なからぬ経営者が、「10年前ほどの影響はない」と口を揃える。そうして、「一週間で70円台に踏み込むほど加速するようならば、政府は何らかの対処をすべきだろう。だが、その場合も“激変緩和措置”程度の効果しか期待できない。水準を大きく変えることなどできない」という共通認識を持っている。

 私には、財務省も同じ認識を持っていると思われる。極めて異常な事態が発生しない限り、為替介入などありえない。今の日・米・欧の経済構造をみれば、単独為替介入にならざるを得ず、持続性がなく、極めて効果が薄いのは明白であり、さらには、日本経済は円高定着を受け入れざるを得ない、と財務省は密かに覚悟を決めているのではないか、と推測するからだ。

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