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「ぎくしゃくした日米関係」の言説 - TPPで米経済ブロックに入る日本

横浜で行われた日中首脳会談について、菅直人は「尖閣は固有の領土と胡主席に伝えた」と11/14の記者会見で語ったが、これはおそらく嘘だ。

もし菅直人が「尖閣は日本固有の領土」などという主張を切り出せば、胡錦濤がすかさず反論して応酬が始まり、22分間で終わることはなかっただろうし、あのように膝の上のメモを読んで終始する会談にはならなかっただろう。

菅直人の11/14の記者会見については、会見後の質疑を紹介したマスコミの記事がない。私が記者でその場にいたなら、「その総理の主張に対して胡主席はどのように反応されましたか」と質問しただろう。

報道では大きく扱われていないが、今回のAPECでの日中外交で見逃せない事実があり、それは、前原誠司が11/14の日中外相会談で尖閣問題に全く言及できなかった不様である。無論、尖閣を取り上げないという事前合意を踏まえて、日中外相会談をセットできたのだろうが、尖閣事件を起こした張本人であり、対中強硬外交の筆頭格だった前原誠司が、今回は恰も中国の軍門に下るようにして、横浜では尖閣問題に触れない外相会談に応じている。

11/12の夜8時に羽田でオバマを出迎える前原誠司の映像がニュースで出ていたが、見ていられない忠犬小僧ぶりの態度で胸を悪くさせられた。

マスコミ報道では、APECの閉幕と首脳宣言を受けて、週末から絨毯爆撃のようなTPP翼賛のキャンペーンが張られている。

米倉弘昌は、移民奨励を堂々とTPP推進の理由として挙げていた。外国人労働者の移民を開放すれば、当然、国内の最低賃金は劇的に下がる。ペルー、チリ、ベトナム、マレーシアから大量の労働者が日本国内に雪崩れ込む。経団連はそれが目当てだったのだ。

TPPは米国による囲い込みである。囲い込まれて米国のブロック圏に入った日本は、経済主権を完全に喪失する。

日中友好の関係の深化と発展こそが、中国を自由と民主主義の価値の方向に導き、中国自身にその意義を覚醒させ、中国の国家と社会を改造させ、共産中国の独善的で無責任で非人権的で環境無視的な態度を変えることができたはずなのだ。途上国から先進国へ変身させることができたのだ。中国を西欧的な市民社会世界に接合し、西と東を繋いでマイルドな調和を実現できたのは日本だったのだろう。9条の丸腰で渡り合い、世界に冠たる製造業と技術力を持ち、貿易黒字のカネを気前よく撒いて各国の歓心を買っていた日本こそが、平和なアジア世界を緩やかに柔らかく纏めるリーダーとして相応しい存在だった。