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【松本浩史の政界走り書き】国政をないがしろにする“おめでたい”菅政権の行く末は?

 もっとも、谷垣氏にしても、自民党を一枚岩で仕切れるリーダーシップがあるわけではない。実際のところ、自民党では、知名度のある女性議員が中心となって、公明、共産両党を除いた野党の超党派グループを発足させる動きがあり、早耳の自民党関係者は、政府・民主党による切り崩し工作の対象になりかねないと、気をもんでいる。

 それにしても、首相やその周辺には、政局を仕切れる人物がいない。「陰の総理」と呼ばれる仙谷由人官房長官にしても、ポストがそういう評価を増幅させているのに加え、ほかに政権運営を進めるに当たり、風当たりを受け止められる政治家がいないという、この政権の構造的な欠陥がある。なぜそうなのか考えるに、つまるところ、相手方に思惑を押しつけるような、まっこと雑な政治手法しか持ち合わせていないことに尽きるのではないか。

 「一事が万事」とは言えまいか。大連立構想も渡辺氏の存在抜きでは語れないし、社民党との「先祖返り」にしても、連立を組む国民新党亀井静香代表によるところが大きい。首相ないし周辺発の思惑で形になった政局は思い当たらない、実にお寒いありさまなのだ。

 民主党では、窮地に立つ首相の心情を見透かしたように、別の思惑も着々と進行している。主役は小沢氏。国会招致に応じる、応じないだの、離党するだのしないだの、新党結成どうのと、相も変わらず取り巻く情勢はにぎにぎしいが、ある同党関係者によると、小沢氏と、たちあがれ日本与謝野馨共同代表、首相との3氏を結びつけるシナリオが進んでいるという。つまり、首相に「仙谷切り」を迫っているのだ。