https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

ユニ・チャーム 反復練習で自律的な社員を育てる

 2年半ほど前から、当社の経営のあり方として「共振の経営」を打ち出しています。


 その意味するところは、社員一人ひとりが「主体的に考えて行動する」経営です。根底には、現場の知恵を経営に生かしていくという発想があります。知恵が振り子のように、経営者と現場の間を行ったり来たりする。こうしたイメージから、「共振」という言葉を選びました。

 主体的に考えて行動する社員を育む共振の経営には、そうした社員を育成するための仕組みとして、2つの取り組みがあります。1つは、トヨタ自動車から学んだトヨタ生産方式ユニ・チャーム流にアレンジしたカイゼン活動の「UTMSS(ユニ・チャーム・トータル・マネジメント・ストラテジック・システム)」。もう1つは、「SAPS」と呼ばれる仕組みです。

 SAPSは、「スケジュール(計画)」「アクション(行動)」「パフォーマンス(振り返り)」「スケジュール(再計画)」の頭文字を並べたもの。具体的には、一人ひとりの社員が毎週、その週の行動計画を作る。そして計画を実施した後、結果を振り返って問題点を抽出し、改善策を盛り込んだ次の行動計画を再び作成して実行する。

明確で分かりやすい目標やメッセージを示すことの重要性

業績に陰りが見え始めた組織によくあることですが、ベテランの幹部による派閥ができていて、父が「裸の王様」になっていた。

幹部だけでなく、社員も同様でした。「指示待ち体質」が広がり、仕事で自分がなすべきことを自ら考えないようになっていたのです。こんな状況では、社業がうまくいくわけがありません。

一般的に人間の能力を向上させようとしたら、反復練習を行うしかない。天才と言われるプロスポーツの選手だって、基礎練習を繰り返すでしょう。それと同じことです。

 例えば、幹部が参加して毎週月曜日の午前8時から開く「SAPS経営会議」。その冒頭に私が必ず訓話を行います。話す内容は原理原則定石なので、そう変わりません。一方で、いつも同じ話では聞いてもらえませんから、例えなどに工夫を凝らして話に新鮮味を持たせる必要がある。


 話のネタは新聞などの記事や本などから拾うのですが、最初はなかなかうまく話せずに苦労しました。しかし、続けているうちにコツがつかめてきた。さらに、訓話を毎週繰り返すことによって、自分の考えを整理できる効果があることも分かりました。


 このように反復練習が人を成長させるのですが、それには訓話に新味を持たせるように、反復練習を飽きさせない工夫が必要です。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20061230#1167469783