https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

「日本一新運動」の原点(70)── 議会政治を崩壊させたのは誰か

『議会政治の誕生と国会―崩壊・再生への道―』(信山社)を執筆中である。

 8月23日現在、大正時代の議会政治を終えたところだ。これまでで感動したのは、第15回議会・明治34年3月22日、衆議院本会議での足尾銅山鉱毒問題に対する田中正造議員の伊藤博文首相に対する質問である。「鉱山師の奴隷政府」という名演説で、中心部分を紹介する。


  鉱毒の害というものは、地面が亡くなってしまう。元金が亡くなってしまう。同時に人類も亡くなってしまう。これをこのままにしてし まうと、人民は死に国家は亡くなってしまう。足尾銅山の鉱業主は古河市兵衛である。古河市兵衛の奴隷の働きだ けは止めてくれろ―お聞き下さい。自分の兄弟は乳の足らぬために死 ぬ。耕すべき地は無い。悲しいと言って出てくる請願人には、大臣が面会しない。それを苦労して出てくる者は、捕らえて牢に打ち込む。


  来たる第16議会に於て田中正造は出ませぬ(議員辞職する)でも、これは国家の問題でございますから、・・・伊藤内閣は古河市兵衛の奴隷なり、という辞を発せられない様に私は望んで置く。