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公邸で激論、前原氏は首相の出席拒否…党内決着

 27日午後6時48分、首相公邸。野田、輿石、前原、岡田副総理の4人が顔をそろえた。テーブル上には、増税反対派が明記にこだわる経済成長率の数字を盛り込まないA案と、増税の条件とはしないものの、数字の入ったB案の2案が置かれていた。


 「条件でない形で数字を入れれば、本当にまとまりますか」


 野田はB案を採用するように力説する前原に向かい、こう詰め寄った。


 「まとまりません。しかし、政府に経済成長、デフレ脱却の責務を持ってもらうという決意は伝わります」


 前原は、「一任」で押し切ることを示唆しながらも、成長率明記を求める声が強い党内情勢に応えようとする姿勢に終始した。


 それでも野田は「数字を入れると、増税ができないと市場に誤解される恐れがある」となかなか首を縦に振らなかった。野田は会談前、「数字を入れても入れなくても、反対する人は反対する。賛成しない人に譲るのは嫌だ」と周辺に語っていた。合同会議の開始時間になっても4人の間で結論は出ず、前原氏らはいったん公邸を出た。

 4者会談を終えた野田は前原だけでなく、輿石からも「党内に配慮してほしい」と求められたこともあり、数字の入ったB案について「成長率の数字と、引き上げ停止の関係を弱める表現にしてくれ」と財務省に指示。野田は最終修正案を手に、9時過ぎに前原を公邸に再び呼び、「数字を入れるならこれにしてくれ」と案を示した。


 それでも野田は合同会議の行方を心配し、出席していた増税推進派議員の携帯電話に電話をかけ、「景気弾力条項で文句が出ても、これ以上は譲歩しないように」と指示した。野田に近い議員からは「数字は入れたくなかった。予想以上に内容で押し込まれた」と不満の声が漏れた。

 野田は当初、合同会議の最終局面では自ら乗り込んで決着を図るつもりだった。野田周辺は「昨年末の一体改革原案の取りまとめの際、首相が出席して反対派を押し切った。首相が出ていけば指導力を印象付けられる」と野田の狙いを代弁する。


 これに対し、党の事前審査の責任者である前原は、野田の出席を拒んだ。野田にとりまとめを委ねることになれば、政調会長としての力量不足という批判につながりかねないためだ。実際、前原は野田に「出席いただかなくて結構です」と直接伝えていた。