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焦点:中国共産党、治安責任者ポストの権限縮小を検討

現在、そのポジションを務めているのは周永康共産党中央政法委員会書記で、同氏の強大な権限に対して最高指導部が懸念を強めているためという。

中国共産党は、政治局常務委員会のメンバーを9人から7人に削減すると観測されており、引退が予定されている周永康氏の後任らを常務委員会メンバーに加えない形で、指導部のスリム化が図られるとみられる。


周永康氏は2007年に政治局常務委員会メンバー入りし、治安や司法、公安部門などを統括する政法委員会のトップとして、強力な権限を握ってきた。党内序列は9位。


周永康氏は69歳で、今年行われる第18回共産党全国代表大会を最後に引退する予定だが、多数の関係筋によると、次期指導部人事などを協議した先の秘密会合で、周氏の後任者のランクを引き下げることが固まったという。


今回で引退を決めている幹部の一人は、匿名を条件に「中央政法委員会書記のポストは、常務委員会に加えられないようだ。(周氏の後任となる)書記は、常務委員会メンバーの誰かへの報告が必要になる。基本的に、彼は自分の判断で決めることはできなくなるだろう」と語った。

周永康氏は、妻のスキャンダルなどで事実上失脚したとみられる薄熙来氏を擁護していたとみられているほか、自宅軟禁されていた盲目の人権活動家、陳光誠氏が米大使館に駆け込むのを治安当局が阻止できなかったことも批判されている。


上海にある同済大学のXie Yue教授は、そうした治安当局の失態や周永康氏の行動を受け、胡錦濤国家主席や次期国家主席就任が確実視されている習近平副主席が、警察や治安当局に対する監視を強める必要があるという認識で一致したもようだと指摘、「胡錦濤氏と習近平氏が中央政法委員会の政治的位置づけを引き下げる方針を主導したようだ」との見方を示した。

複数の関係筋によると、周永康氏の後任としては、孟建柱公安部長が最有力視されている。

関係筋によると、政治局常務委員会をスリム化する計画は、次の指導部が、問題により機敏かつ結束して対応したいと考えているため。


政治動向に詳しい弁護士のPu Zhiqiang氏は「胡錦濤主席/温家宝首相の体制は、権力や責任を分散した結果、多くの問題を引き起こした。次の指導部は、もっと迅速に行動したいと考えている」と指摘している。

関係筋によると、7月末に権限移譲などについて話し合われた指導部の秘密会合で、胡錦濤主席は数百人の幹部を前に、数時間にわたって熱弁をふるった。


国営メディアは胡錦濤主席のスピーチについて簡単に伝えただけだったが、関係筋は「胡錦濤主席は多くの問題や潜在的な危機について話した。彼は不安を持っているようだった。汚職、環境、経済に関する問題など、共産党が直面しているあらゆる問題を取り上げた。そうした危機感が常務委員会をスリム化する理由のひとつになっている」としている。