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〔焦点〕年間7兆円に迫る巨額貿易赤字、円安の逆効果で13年も脱却難しく

巨額のエネルギー輸入国となった日本にとって、円安は輸入金額をさらに押し上げる。他方で円安による輸出数量効果は、世界需要の本格回復が難しいほか、海外生産シフト加速で以前ほど期待しにくい。

 足元の円高修正が輸出企業の売リ上げ回復要因となることは確かだ。しかし、日本経済全体でとらえた場合、必ずしも貿易赤字の解消につながるとも言い切れない。その背景には貿易構造の変化がある。


 エネルギー輸入を中心とする貿易赤字が続く現在、円安は輸出押し上げ効果を上回って輸入金額を押し上げる。契約通貨をみると、輸出のドル建て比率が5割前後なのに対し、輸入は7割前後で、円安が円建ての輸入価格を押し上げる効果が上回る。


  こうした事実を踏まえ、野村総合研究所金融ITイノベーション研究部長・井上哲也氏は「日本の貿易赤字基調が海外の景気循環だけでなく、構造的要因やエネルギー価格の高騰などにも影響している面をとらえて、円安のコストと便益のバランスが変化しつつあるとの見方も出てきた」と指摘。閣僚などが円相場のレンジに言及し始めたことには、こうした議論が影響している面もあるだろうとの見方を示した。