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バーナンキ米FRB議長の議会証言での発言要旨 | Reuters

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、上院銀行委員会で半期に一度の議会証言を行った。冒頭発言は前日の下院金融委員会での証言とほぼ同じだった。質疑応答の内容は以下の通り。

<6月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降の指標、9月に量的緩和(QE)縮小の可能性>


6月のFOMCが開かれたのは数週間前にすぎない。以来幾つかの指標が公表されたが、内容はまちまちだ。従って判断を下すのはまだかなり早いと考えている。われわれは当然指標を検討する。今年これから上向いていくか確認したい。


今年の初めに経済が非常に鈍かった理由のひとつは財政要因だ。この影響がいつまで続くか判断するのは難しいが、経済がこれを乗り越え財政による向かい風が幾分弱まれば成長は上向くだろう。


(資産買い入れを9月に縮小するかについては)指標を検討し、その上でFOMCが判断する。先ほど述べたような改善が見られるかどうかによる。


<FOMCでの見解>


FOMCでは非常に慎重な議論を行う。投票権を持たない参加者も含め全員が数分ずつ政策に関する見解や現在の見通しについて述べる、いわゆる周回を行う。また、私が記者会見で説明したおおまかなシナリオは、投票権を持つFOMC参加者、持たない参加者の双方によって広く支持されている。


<インフレの測定>


数年前にインフレの測定に関する超党派委員会が設置され、公式のインフレ指標は実際よりもインフレ率を低めにではなく高めに測定していると結論付けた。そのため、委員会が勧告した見直しの一部が導入された。


物価が高いということと上昇しているということには違いがある。(生活費は)高いが、上昇はしていない。言い換えれば、実質賃金が低下しているということだ。インフレ率が極めて低いにもかかわらず、賃金はインフレ率よりもさらに鈍いペースで上昇しているためだ。これは経済全体の生産性や所得配分に関連した問題であり、FRBにできることはほとんどない。


<成長・雇用見通し>


われわれは労働市場そのものの改善でなく、労働市場の見通しの改善を目標として掲げている。これはわれわれが労働市場関連指標の改善を望んでいるということに加え、改善の継続が必要との認識を持っていることを意味する。改善が継続するには裾野の広い成長が必要になる。


<金融政策と経済の成長潜在力>


経済の長期的な潜在成長力に関し、金融政策にできることは限られているというのは事実だ。ただ、潜在能力を大きく下回る状況において、より迅速に潜在的な水準に戻ることができれば、それは経済にプラスと言える。


<QEの有効性>


多数の証拠から言えることは、QEは金利政策のような通常の金融政策手段ほど強力ではないにせよ、雇用や経済に対して実際に有意義な効果をもたらすということだ。とりわけ2008年以降、短期金利の操作余地がなくなり、デフレに対する懸念が多少ながら増す時期もあったなか、QEは重大な局面において、経済を動かし続けていく上で重要な押し上げを担った。


<金融政策と金融安定>


金融政策と金融安定は複雑な関係にある。長期間にわたり金利が非常に低い状態が続けば、高利回りの追求などリスクの高い動きが出てくる可能性がある。これに対し、われわれは主に規制、監督、監視を通して対応しようとしている。これが当然、最前線での防衛策となる。


<金融緩和を継続する必要性>


インフレ率が目標を下回り、失業率は依然としてかなり高水準だ。失業については労働市場の状況に対して楽観的過ぎるとの見方も存在する。(雇用と物価の)責務はいずれも、見通せる将来において極めて緩和的な金融政策を続ける必要があることを示唆しており、われわれはそうするつもりだ。


FRBのバランスシート>


最終的にFRBが証券のロールオーバーおよび再投資をやめれば、証券は流出しバランスシートは縮小していくことになる。もちろんわれわれは多数のシナリオ分析を行っており、経済が十分力強さを得た時点で証券の流出を認めれば、(バランスシートも)程なく正常化することだろう。


確実なことは、利上げする前に(バランスシートを縮小する見込みは)ないということだ。あらためて、われわれは現時点でいかなるMBSの売却も計画していない。将来的にわれわれが行うことは、証券が償還を迎えた時にロールオーバーせず流出を認めることだ。


<住宅>


われわれが直面しているリスクの一つは、依然としてかなり大部分の国民が、信用供与を受けるために必要な財力を備えながらも住宅金融へのアクセスにかなり苦慮していることだ。


<QEのリスク評価>


QEはリスクとコストを伴い、われわれはこれらを注意深く見守っている。声明でも触れた通り、QEの効果とコストは毎回の会合での検証事項の1つとなっている。費用対効果に関する分析も行っており、追加買い入れの効果についても討議している。


長期金利上昇の理由>


まず、経済ニュースに改善が見られた。先行き見通しが明るくなれば、金利は上昇する傾向がある。例を挙げれば、労働市場に関する指標が比較的良好だったことで、金利が急上昇するなどした。


金利上昇の第2の理由として、過度にリスクが高かった可能性のあるレバレッジ・ポジションが巻き戻された可能性が挙げられる。これは歓迎すべきことだと思われる。巻き戻しに伴うタイトニングは歓迎せざるものだが、少なくとも金融上のリスク増大に対する懸念が緩和されたとの効果はあった。FOMCの一部メンバーにとり、今後の安心材料となる可能性がある。