https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

津川雅彦「テレビと左翼思想によって日本映画ダメになった」 - ZAKZAK

牧野省三明治41年、日本初の劇映画『本能寺合戦』で、すでにその基本を打ち樹(た)てている。ヒーローとヒロインは同じ性格であってはいけない。相反、葛藤して初めてドラマになるといっています。それが〈ドラマチック〉だと。大映のオーナーだった永田雅一が「このごろのドラマにはチックがない」といったのは有名ですが、〈チック〉とは、匙加減で少し面白くする、派手にする、そういうサービス精神です。

長男のマキノ雅弘はこういった。「30%やぞ」と。


 〈30%〉とは何か。映画は目で見る。見える部分は〈30%〉にしておけ。70%は観客の想像力を喚起させよと。想像できる内容ですよね。それがないと映画にはならんと深い所を突いているんです。


 ものは、見るだけでは頭脳を発達させない。読むことこそ、想像力を働かさせる。映画に必要なものはこの想像力だと。だから、見させるだけで終わるのはテレビです。その昔は紙芝居だった。同じ類いのものですね。


 マキノ一統は、見えるものだけで勝負したらだめだぞ、といってきたわけです。筋はおもしろおかしくつないでいくが、見た後で、残るものがない。見えていなかったものこそが実は残るんですよ。


 ところが、観客のほとんどはテレビで脳みそを薄くされ、30%で満足している。テレビに飼いならされた大衆だ。そこで、日本の映画はどんどん衰退したんです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20130808#1375958919