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ウクライナ危機:非西欧世界の挑戦 - The Voice of Russia

  習国家主席オバマ大統領に次のように語った。


  「中国はウクライナ問題において、抑制的・客観的・公平な立場を守る。ウクライナ情勢は複雑を極める。現状、全当事者は抑制的であるべきだ。緊張の深まりにつながりかねない措置は控えるべきだ」。


  中国の立場はモスクワに近い。セルゲイ・トミン評論家は次のように語る。


  「中国は対ロ制裁に反対しはするものの、口吻は慎重かつ抑制的である。しかし中国の世論・報道はより明瞭に、ロシア支持である。新華社社説に次のようにある。『ウクライナ問題の中に、世界は何を見ているか。西側諸国の野蛮とエゴイズムにより、ひとつの国家が分解されていくさまを、又しても目撃しているのである』。新華社は言う。西側諸国は、ロシアがウクライナにおける自らの基盤的利益を守る決意のほどを過小評価している」、と。


  米国の性急な新・ロシア包囲網に不参加を表明しているのは、インドもまた同じである。インドの安全保障担当首相補佐官シヴシャンカル・メノン氏は、「ロシアのウクライナにおける利益は正当だ」と述べた。インド世論や専門家筋も、中国と同様、ロシアに同調的である。ここにはわずかに一つの見解を引くにとどめよう。ネルー記念大学国際研究スクールロシア・中央アジア研究センター所長アルーン・モハンティ氏は、「西欧諸国は地政学的利益に基づき、ウクライナの非正当な政権を支持している。彼らの目的はウクライナをロシアの周回軌道から引き抜き、世界的プライヤーとしてのロシアの可能性を大幅に制限することだ」と語っている。


  「BRICSにおけるロシアの主要パートナーである中国やインドがこのような立場を表明していること、それは、ロシアを利用しようとする西側諸国の企ては成功しない、ということの証明である。モスクワと交渉するにあたって脅迫・制裁という言語を用いようとする試みは、少数派に回る可能性もある。現代世界では、経済的・地政学的中心は、西から東に移動している。ウクライナ危機は、世界の伝統的中心である西欧の指図に従わないことを土台とする、非西欧世界のさらなる結束を促すのみだ。露中印をはじめとする地域のパートナー諸国は、世界の構造を根本的に改める必要、西側諸国による『真実の独占』を取り除く必要を改めて確認したのだ」


  ウクライナ問題は、1962年カリブ危機の亡霊と見ることも出来る。グローバリゼーションが進行し、国家相互間・国家グループ相互間の依存関係が深まりつつあるこの時代に、新たに始まろうとしている冷戦には、実に勝者も敗者もない。露中印の権威と地政学的重みが危機に安定をもたらすことを願おう。