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【新聞に喝!】画一的なアンネ本破損報道 京都大学大学院教育学研究科准教授・佐藤卓己 - MSN産経ニュース

 ウォルター・リップマンは『世論』(1922年)で画一的報道をこう批判した。


 「われわれはたいていの場合、見てから定義しないで、定義してから見る。外界の、大きくて、盛んで、騒がしい混沌(こんとん)状態の中から、すでにわれわれの文化がわれわれのために定義してくれているものを拾い上げる。そしてこうして拾い上げたものを、われわれの文化によってステレオタイプ化されたかたちのままで知覚しがちである」

 事態を予測する目的でステレオタイプが利用されるのは日常的なことである。それは社会の複雑性を縮減する安心のシステムに組み込まれており、効率的な情報の伝達にも不可欠なためだ。


 効用を認めた上で、リップマンはステレオタイプから距離をおく専門家の必要性を訴えている。


 「どんな分野であれわれわれが専門家になるということは、われわれが発見する要素の数をふやすことであり、それに加えて、あらかじめ期待していたものを無視する習慣をつけることである」