新しい歌舞伎座は明治22年に建てられた最初の歌舞伎座から数えていわば「五代目」で、オフィスビルを併設した地上29階、地下4階の複合施設として去年の4月に開場しました。
開場を祝うこけら落とし公演が先月までの1年間にわたって行われ、人間国宝の坂田藤十郎さんや尾上菊五郎さんら、歌舞伎界を代表する俳優たちによる人気演目が立て続けに上演されました。
また、市川染五郎さんや市川海老蔵さんといった人気俳優たちが、新作を一から作り上げて上演するなど、若手の躍進も目立ちました。
一方で、7か月ぶりの舞台復帰を果たした坂東三津五郎さんや片岡仁左衛門さんが、この1年の間に病気のため相次いで舞台を降板しました。
さらに、女形の中村福助さんが去年12月、脳内出血のため休演を発表し、福助さんが襲名することになっていた女形の大名跡、中村歌右衛門の襲名披露興行が延期となりました。
こうしたなか新しい歌舞伎座は、東京の新たな観光地として国内外から注目されました。
去年12月には歌舞伎座の観客動員数が100万人を超え、歌舞伎の興行を行う松竹が当初想定していた「1年で110万人」の目標を8か月で達成しました。
先月末までのこの1年間の観客動員数は130万人を超えたということです。