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国債暴落必至、日銀の「不都合な真実」潜在成長率低下で−早川氏 (1) - Bloomberg

日本銀行の早川英男前理事はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、経済の実力である潜在成長率が低下する中で日銀が掲げる2%の物価目標実現が近づいており、国債価格暴落の可能性が高まっていると警告する。


富士通総研エグゼクティブ・フェローを現在務める早川氏は2日、「物価だけに限って言えば、日銀の勝ちだ」と述べ、既に完全雇用であり、人手不足による賃金上昇が今後起きて、物価は来年度の終わりころには2%には近づいてくると予想した。同時に日銀は潜在成長率の低下という不都合な真実から目を背けているとも語った。


潜在成長率低下は財政赤字拡大につながり、ひいては長期金利上昇(国債価格下落)圧力になる。こうした中で物価目標が達成されると日銀が国債を買わなくなり、国債急落につながりかねないとの見方だ。こうした事態を避けるには財政再建と成長戦略が不可欠だが残された時間は少ないと強調した。


足元0.6%前後で低位安定している長期金利 について早川氏は「国債市場は物価がいつまで経っても2%に届かない、従って日銀がいつまでも国債を買ってくれるという前提で取引をしている」と語った。


その上で今年度末は無理にしても物価は2%にだんだん近づいてくるとして「そうなると、日銀はいずれ国債を買ってくれなくなる。その日が近づいている。国債市場だけでなく、日銀も完全にモラルハザードに陥っていて、国債の暴落は起こらないと思っているが、それは起こる」と予測した。

早川氏は「もはやデフレではなくなったが、消費増税による駆け込み需要はあっても、消費がどんどん出てくるわけではない。普通に計算すれば実質金利は大幅なマイナスだが、にもかかわらず設備投資が力強く出てくる様子もない。従来は一番効くと思われていた円安ですら、大した効果はなかった」と指摘。


その上で「デフレを脱却しても結局、日本経済は強くならないということであり、問題なのはむしろ、潜在成長率が0%近傍とさらに弱くなっていることだ」と語る。

安倍政権は年内に2回目の消費税率引き上げの是非を決定するが、その際、追加的な財政刺激を行うとの見方が根強い。また、それに呼応するように、日銀が年内に追加緩和に踏み切るとの見方が圧倒的に多い。しかし、早川氏は「それは明らかに自滅への道だ」と語る。


同氏は「既に完全雇用の状態なので、放っておいても人手不足と賃金上昇が起こる。そこで財政、金融をさらにふかせば、2%が早まるだけだ。2%が早まるということは、ゲームセットが早まるということだ。われわれに与えられているのは、2%を達成するまでの時間だけだ」と言う。


その上で「黒田総裁は安倍首相に財政再建と成長戦略に真剣に取り組むべきだと訴えるべきだ。日銀の物価目標だけをとらえて言えば、それは着実にうまくいっているが、一方で財政再建は行われず、成長戦略も実行されず、それだけ達成されたら、非常にまずいことが起こる」と警告している。