理化学研究所の小保方リーダーらがイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表したSTAP細胞の論文には、細胞の作製方法などを記した「article」と呼ばれる論文と細胞の万能性を説明した「letter」と呼ばれる論文の2本があり、このうち「letter」については小保方リーダーを含む3人の責任著者が同意し、取り下げに向けた手続きが進められています。
一方、「article」については、これまで小保方リーダーとハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授の2人の責任著者が反対し、取り下げの見通しは立っていませんでしたが、理化学研究所によりますと、小保方リーダーは3日、取り下げに同意し、すでに同意の文書に署名もしたということです。
また、関係者によりますと、バカンティ教授も取り下げについて同意する意向をほかの著者に示したということです。
新型万能細胞の作製に成功したとして世界的な注目を集めたSTAP細胞の論文は2本とも取り下げられる見通しとなり、その研究成果は白紙に戻ることになりました。
これについて、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの代理人を務める三木秀夫弁護士は、「きょう小保方さんに連絡した際、『article』の論文の取り下げに同意したと聞いた。取り下げの同意は本意ではないと思うが、その理由については、今後、精神状態などを見ながら時間をかけて確認したい」と述べました。
また、「論文の取り下げとSTAP細胞が存在するかどうかは別問題で、理化学研究所は小保方さんを検証実験に参加させ、再現のチャンスを与えるべきだ」と話していました。