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『素顔の安岡正篤―わが祖父の想い出』
P149

 学校のことをいうと、祖父がときどき話してくれた話があります。
「いくつになっても試験というのは嫌なもんだねえ。どんなに勉強しても心配でね。もうこれで充分というところがないからね」
 これは、祖父の率直な気持ちだったようです。
「おぢいちゃまでもそんなことを考えるのか」
と子供心に思ったことを覚えています。
「入学試験の合格発表の時も嫌だったねえ。一緒に見に行った奴の方が、先に自分の名前を見つけてね。自信がなかったから最後の方から捜していったんだ。これがなかなかなくてねえ。友達の名前はあるのに……。諦めかけてたらあったんだ。一番先頭に。昔の合格発表は成績順だから、おぢいちゃんは一番だったというわけだ」
 これは一高の入学試験の時のことだったようです。

安岡正篤 - Wikipedia

1915年 大阪府四條畷中学(現大阪府立四條畷高等学校)卒業。

1919年 第一高等学校卒業。

戦後の歴代総理に「日本の黒幕はだれか?」と聞けばほとんどの首相が安岡正篤の名前を挙げたという。

安岡本人は「自分はただの教育者にすぎない」と考えていたため、「黒幕」と言われるのを嫌がった。しかし、自分自身が直接権力を持たない反面、権力者に対して絶大な発言力を持っていた。名のある大物ほど安岡の教えに心酔し、意見や講演を求め、本人の意思に反して各界に影響力を拡大していったためである。