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「ミスター元」はロシア大統領の隠し玉か−制裁で注目集まる - Bloomberg

欧米による対ロシア制裁の国内経済への影響を抑えたいプーチン大統領には隠し玉がある。「ミスター元」と呼ばれる男だ。


イーゴリ・マリチ氏が2010年にモスクワで人民元取引を導入した後、一部のバンカーらが同氏をミスター元と呼び始めた。この時、ロシアは中国以外で正規の人民元購入の機会を提供する最初の国になった。ウクライナの戦闘を受けロシアに対する制裁が強化される今、成長を求め東に目を向けるロシア企業が増え、ミスター元はある種の尊敬の対象となっている。


マリチ氏がマネー市場を運営しているモスクワ取引所 の人民元ルーブル取引は今年10倍に拡大し、8月には7億4900万ドル(約810億円)相当に達した。もちろんまだドル・ルーブル取引の3670億ドルに及ぶべくもない。


欧州連合(EU)がロシアの大手銀行であるスベルバンク やVTBグループ 、ガスプロムバンクを制裁対象とした7月31日、人民元買いは6億6600万元(約120億円)と当時のピークを記録した。


マリチ氏(40)はモスクワの中心部にある取引所でインタビューに応じ、EUと米国による制裁に加え、中国との関係が深まる中で、1営業日当たりの人民元取引は「1年以内」に10億元に達するだろうと述べた。スポーツ愛好家の同氏がこの取引所で働き始めたのは2000年。この年、ウラジミール・プーチン氏が初めて大統領に就任した。


マリチ氏の目標達成は同氏の予想より早まるかもしれない。ロシアの高官ら4人によれば、プーチン大統領が北京を5月に訪れた際に中国とまとめた4000億ドル相当の30年間に及ぶガス供給契約について、ロシアは人民元での支払いを受け入れることを検討している。最終決定はまだだとして高官らが匿名を条件に明らかにした。