18世紀アメリカの哲学は大きく2つの区分に分けられることが多い。1つは初期のピューリタンによるカルビン主義であり、もう一つは建国の父達の政治思想に関連するヨーロッパ啓蒙思想のアメリカ的取り込みによって特徴付けられる。
20世紀半ばはアメリカにおける分析哲学が支配を始めた時期だった。分析哲学がアメリカに来る以前に、ヨーロッパのゴットロープ・フレーゲ、バートランド・ラッセル、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインおよび論理実証主義者の活動で始まっていた。論理実証主義に拠れば、論理学と数学の真理はトートロジー(常に真となる論理命題)であり、科学の真理は実験的に検証できる。倫理学、美学、神学、形而上学および存在論の主張を含め他の主張はどれも意味がないとした(この理論は検証理論と呼ばれた)。アドルフ・ヒトラーとナチス党の勃興により、多くの実証主義者がドイツからイギリスやアメリカに逃れ、その後の年月ではアメリカにおける分析哲学の支配を補強することになった。
分析哲学者たちは[主として]概念的・抽象的な主題に取り組んだため、1970年代まで、アメリカ合衆国の哲学は(アメリカ建国時にその主たる研究対象であった)社会的・政治的主題への関心を完全に取り戻してはいなかった。社会哲学と政治哲学の復権は、道徳的エゴイズム(「客観主義」(Objectivism)と呼ばれた)を推奨したアイン・ランドの作品が人気を博したことをきっかけとする。
20世紀の終わり近く、プラグマティズムに関する興味が再度浮上した。これにはヒラリー・パトナムやリチャード・ローティが大きく貢献した。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141114#1415961405
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141111#1415702477
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141108#1415443143