羽生善治さんは、昭和60年、中学生でプロ棋士になり、平成8年に史上初めて将棋の7大タイトルをすべて独占しました。
その後もトッププロとして活躍を続け、現在、名人と王位、王座、棋聖の4つのタイトルを保持しています。
羽生さんは、20日に行われた王将戦の挑戦者決定リーグ戦で三浦弘行九段に勝ち、通算の成績で1300勝を達成しました。
羽生さんは埼玉県出身の44歳。
1300勝達成は史上4人目で、プロ入りから28年11か月での達成は、4人のうち最も速く、また最年少での達成となりました。
さらに、通算勝率は7割2分3厘で、史上最も高い勝率での達成です。
羽生さんは、このほか、7大タイトル獲得は通算90期と歴代1位の記録を更新中です。
また、1つのタイトルを一定の回数獲得した棋士に与えられる「永世称号」も、6つのタイトルで資格を持ち、残る「永世竜王」の称号もあと1期獲得を残すのみとなっていて、史上初めて、すべての永世称号を獲得する棋士となる期待も高まっています。
羽生さんは対局後、「通算記録は意識していませんが、長い間やってきたことがこのように形になってよかったと思います」と話していました。
通算1300勝を達成している棋士はこれまでに3人います。
初めて達成したのは、将棋界に一時代を築いた大山康晴十五世名人で、昭和60年、62歳のときでした。
プロの棋士となってから45年7か月での達成でした。
大山名人は66歳でタイトル戦の挑戦者になるなど生涯現役を貫き、通算勝ち数は1433勝と歴代1位です。
次に達成したのは大山名人から次々にタイトルを奪った中原誠十六世名人で、平成19年、60歳のときです。
プロの棋士となってから41年11か月での達成でした。
3人目は、平成23年に71歳で達成した加藤一二三九段です。
加藤九段は57年3か月での達成でした。