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『白隠禅師法語全集〈第9冊〉遠羅天釜』
P168

 浄土門の教えは、中下根の者のために仮に美しい具体的な姿を見せ、これによって何ものにも依らぬ無依の宝珠があることを感じさせようとするものであり、それを希望し求める心によって、見えない仏理とつながるのである。だから、色像を見ればそれでよしとし、本質である宝珠を見ることはないのである。ところが上々機の者のために、ずばりと円明の宝珠を指し示し、有依の色相は見ない。だから妙悟を大切にし、その宝珠すらも撃砕するのだから、色像に拘泥することはない。

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