文化における数学の歴史的具体相をみることによって,数学が孤立した学問ではなく、さまざまな要因のもとで展開していったこと、また多くの 学問領域に影響を与えたことを学ぶ。さらに高校時代までに学んできた数学の成立の背景を知り,数学が本来持つ多様性を再発見するとともに,今日私たちが抱く数学や科学のイメージを根本的に再検討する契機を与える.
従来の数学史ではあまり取り上げることのなかった題材,つまりアラビアや西洋中世の数学,教育との関係,女性と数学などにも言及するので,単に数学のみならず,広く文化史に関心のある学生にも参考となるであろう.取り上げる数学は17世紀頃までであるので、微積分学初歩の知識があれば十分である。講義内容はさまざまな学問領域にかかわるので、むしろ数学を超え広く学問一般に関心のある学生の受講を期待する。
第1回 古代エジプトの数学
古代エジプトの計算法を,文字に注目しながら具体的に紹介する.また誰がどの様な目的で計算を行ったか,という文化的社会的背景にも注目する.
第2回 古代ギリシャの数学
前半は古代ギリシャの数学の発生と展開を概観し,古代ギリシャ数学の特徴を明らかにする.後半はアルキメデスの数学の発見的方法について検討する.さらに古代数学の行き着く先にも言及する.
放送大学履修科目『数学の歴史』より1 〜古代エジプトの数学1 - 身勝手な主張
放送大学履修科目『数学の歴史』より2 〜古代エジプトの数学2 - 身勝手な主張
- 作者: 三浦伸夫
- 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本
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