Dino Bellucci のメランヒトン論(1998年)は面白いです。主要書『自然学入門』と『霊魂論』の位置づけについて、後者が先だとするクスカワさんに修正を求めます。それでこそ、宗教改革の理念に適ったアリストテレス主義の改革というメランヒトンの計画を理解できるのだと。
ルターの宗教改革において、ルターの思想の体系化に尽力。プロテスタント正統の基礎を築いたという面でカルヴァンと並び称される。
非体系的・直感的なルターに対し、メランヒトンは体系的・知性的であり、ルターの思想を体系化していく役割を担った。
メランヒトンが「人は神の恩寵に対して自ら応え得る」とした主張は神人協力説と位置づけられ、メランヒトンの説が元になって起きた自由意志を巡る論争は神人協力説論争と呼ばれる。