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焦点:FRBの年央利上げに黄信号、主要中銀との政策かい離 | Reuters

主要国中銀の政策の方向性が一致しないのは、そう珍しいことではないが、FRBと主要国中銀との間の溝は今や、前例のないほどにまで拡大しており、FRBの政策をめぐるリスクや不透明感は増している。


イエレンFRB議長の元アドバイザーで、現在はジョンズ・ホプキンス大学金融経済学センターのディレクターであるジョン・ファウスト氏は「海外の見通しが暗くなった。利上げ時期やその後の利上げペース、市場との対話など一連の決定は、難しさを増している」と述べた。


「海外発のリスクをどう認識しているのか、米連邦公開市場委員会(FOMC)がきちんとコミュニケーションをとることが極めて重要。われわれは非常にユニークな状況に直面している」と指摘した。

こうした国々がとっている措置は、米利上げをより困難にしている。これら諸国で金利が低下、潤沢な流動性が米資産に向かえば、FRBが引き上げようとしている金利に低下圧力がかり、ドルは上昇する。


そうなれば、FRBが重視する雇用と経済成長にマイナスの影響が及ぶ。ドルの上昇については、FRB当局者はこれまで、米国は他の先進国ほど貿易に依存していないとして、あまり警戒していなかった。


しかしその影響は軽視できない。カナダは21日に予想外の利下げを実施、カナダドルは米ドルに対して大幅に値を下げた。カナダは米国の最大の貿易相手国だ。また、自動車などの産業でサプライチェーンを共有しているため、雇用や投資は割安なほうへと簡単に流れてしまう。


その他の諸国も追随し、近く利下げに動くかもしれない。そうなれば米ドルは一段と上昇、米国の輸出品はますます割高になるだろう。


TDセキュリティーズのアナリスト、ミラン・マルレーン氏は「コモディティ(商品)に依存する国の中銀に対しては今後数か月、利下げ圧力が高まるだろう。通貨安競争が再燃する可能性がある」と述べた。

国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、チャールズ・コリンズ氏は「各国の金融政策がこれほどかい離している状況は、これまで経験したことがない。どういった結果になるのか分からない」と話す。


FRBが引き締めに動けば、市場が大混乱をきたし、世界経済ひいては米景気回復に打撃となりかねない。コリンズ氏は「市場がある日、急激に変動し、破壊的な影響を及ぼすかもしれない」と警告した。