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焦点:ギリシャの銀行に「終焉の日」迫る、命綱はECB支援策 | Reuters

欧州中央銀行(ECB)には緊急流動性支援(ELA)という「切り札」が存在し、これまでにもELAの承認権限をちらつかせることで、重債務国に対して財政緊縮とセットになった金融支援を飲ませてきた。


既存の支援策延長の是非をめぐって大詰めの交渉が行われているギリシャに対しても、ECBはこの「切り札」を行使するかもしれない。


ECBとしても、ギリシャの銀行にとって命綱とも言えるELAを取り上げることは本望ではない。ELAがなくなれば、ギリシャがユーロ圏離脱に追い込まれることはほぼ確実だからだ。しかしギリシャが既存の支援策の延長を拒否し、新たな支援の枠組みも受け入れない、という事態になれば、ECBにはELAを拒否する以外に選択肢はない。

ECBは先週12日、ギリシャの銀行に対するELAをおよそ50億ユーロ(57億ドル)上積みし総額650億ユーロとした。これは18日までの時限措置であり、同日のECB理事会で再度見直す。


ECBはもはや、資金供給の担保としてギリシャ国債を受け入れていない。代わりにギリシャ中銀がELAを活用して、国内の銀行に資金供給を行う。ELAとは、ユーロ圏の中央銀行が自国の銀行に対して行う支援だが、実施には厳しい条件がつき、かつECBの承認も必要だ。


独政府の経済諮問委員会のフォルカー・ウィーラント委員は「ギリシャ政府が『債務を返済しない』となれば、ギリシャ国債を大量に保有しているギリシャの銀行は事実上、支払い不能状態となる」と指摘。


ELAのルールによれば、各国の中銀は「支払い能力がある」と見なす銀行に対してのみ、ELAを「一時的に」実行するとなっている。


ECBがこのルールを盾に、ギリシャの銀行へのELAを拒否すれば「ギリシャ政府を合意に追い込める」(ウィーラント委員)という。

ギリシャの銀行の資金繰りをめぐっては、18日に開催されるECB理事会が目先の山場となる。ECB理事会で3分の2以上の賛成があれば、ギリシャ向けELAに何らかの制限を設けることが可能になる。


ECB理事会メンバーの一部はギリシャへの苛立ちを隠さない。


プラート専務理事は先週、ELAは「ごく短期的なニーズ」に応えるための制度だと強調。支払い能力のある銀行のみが対象になるというルールは、厳格に適用すべきだと強調した。また、ワイトマン独連銀総裁も、ELAについて「厳格な基準」を適用すべきとの認識を示した。


ギリシャの現行の支援の枠組みは月末で終了する。支援延長は事実上、16日に開催するユーロ圏財務相会合がラストチャンスとなる。


ベレンバーグ銀行のエコノミスト、クリスチャン・シュルツ氏は、ギリシャは結局Uターンし、支援策を受け入れるのではないかと話す。そうでなければ「ECBがELAを制限する可能性は大きい。ELAが制限されれば、ギリシャの銀行は『ゲームオーバー』だ」と強調した。