シリアでは、アサド政権、反政府勢力、それに過激派組織IS=イスラミックステートが三つどもえの戦闘を繰り広げています。
こうしたなか、17日、国連でシリア問題を担当するデミストラ特使が、今月シリアの首都ダマスカスでアサド大統領らと会談した内容を安全保障理事会で報告しました。
報告のあとデミストラ氏は報道陣に対し、政府軍と反政府勢力との戦闘が続く北部のアレッポに関して、「シリア政府は、6週間にわたって空爆や地上からの攻撃を停止する用意があると伝えてきた」と述べました。
そのうえでデミストラ氏は、これから再びシリアを訪れて攻撃停止の日を発表するとしたうえで、「これまでの経験から決して幻想は抱いていないが、局地的な停戦がほかの地域での停戦につながることを期待したい」と述べ、アレッポでの停戦をシリア全域での戦闘停止に向けた足がかりにしたいという考えを示しました。
国際社会の最大の関心がISへの包囲網を強めることに集まるなかアサド政権は内戦を有利に進めており、反政府勢力との停戦に向けても国際社会と協調する姿勢を示すことで、主導権を握るねらいがあるものとみられます。