1-1)ウクライナ政府はウクライナ東部が「占領されている」と認識。Вести.Ru: Киев объявил Донбасс оккупированной территорией http://www.vesti.ru/doc.html?id=2435564
1-2)ウクライナ国会は「ウクライナ東部に特別な地位を付与する法」を可決しポロシェンコ大統領へ送った(訳註:ウクライナ時間18日に署名済)。しかしこの法文では分離独立派が掌握するドネツクとルガンスクのウクライナ東部を占領された地として規定している。
1-3)これに対しロシアのラヴロフ外相は「ドネツクとルガンスクを他者に占領された地とする事は、将来の奪還を視野に入れているという事。これは(訳註:ドネツクとルガンスクに高度な自治を認めるとするミンスク合意を)書き換える物だ」と非難した。
1-4)更にウクライナ議会が可決した境界線は双方武器を撤退した緩衝線と異なり、分離独立派が掌握するデバリツェボやドネツク空港も含んでいる。ドネツク人民共和国のザハルチェンコ首相は「ウクライナ政府は対話を拒否している」プシリン副首相も「ミンスク合意は破壊されたに等しい」と述べた。
1-5)ロシア共産党のジュガーノフ議員は「挑発的な意思決定であり、建設的な話し合いは困難。戦闘再開は時間の問題」と述べ、ロシア自民党のジリノフスキー議員は「この法はミンスク合意違反であり、ウクライナ政府は和平を望まず武力行使の準備をしているに等しい」との見解を示した。
1-6)状況はメルケル独首相とオランド仏大統領に委ねられているが、アメリカの動きも重要だ。ロシア下院外務委員会のプシコフ委員長は「フランスとドイツは良い交渉をした。だがアメリカは平和的解決には無関心で、紛争維持によりNATO枠組内での欧州体制維持を狙っている」との見解を示した。
2-1)ポロシェンコ大統領、露仏独ウの4か国外相会談に合意。Вести.Ru: Порошенко и Меркель инициируют встречу глав МИД нормандской четверки http://www.vesti.ru/doc.html?id=2435895
2-2)ウクライナのポロシェンコ大統領はドイツのメルケル首相との電話会談で、ロシア、フランス、ドイツ、ウクライナの4か国外相会談開催に合意した。ウクライナ大統領府の記者発表によると「外相会談ではウクライナ東部の状況とミンスク合意の実行状況について議論する」との事。
2-3)またウクライナ大統領府の記者発表は「自由で公正な地方選挙実施について、OSCE欧州安保協力機構の規格に適合しなければならない」とも述べている。
2-4)17日にウクライナ議会は現ウクライナ法に基づく地方選挙の実施を条件とし「ドネツクとルガンスクに特別地位を与える法」を可決、「分離独立派が一時的に占領している」との宣言決議も採択した。この採択は「全ての非合法武装勢力や装備、民兵や傭兵の撤退」完了迄、占領が続くとしている。
2-5)ドネツク・ルガンスク両人民共和国の首脳は「ウクライナ政府は東部地域の高度な自治を否定し状況を行詰まらせた。ポロシェンコ大統領とヤツェニク首相は皮肉な交渉に時間を費やしている。彼らの仲間のEUが笑われぬ様、議会の恥ずべき決定が反故にされない事を願う」との声明を発表した。