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先月の貿易収支 2年9か月ぶりの黒字 NHKニュース

財務省の速報によりますと、先月の輸出額は6兆9274億円で、去年の同じ月と比べて8.5%増加しました。
これはアメリカ向けの自動車や中国向けの電子部品が増えたことなどによるものです。
一方、先月の輸入額は6兆6981億円で、去年の同じ月と比べて14.5%減少しました。
これは原油価格の下落で原油などの輸入額が大幅に減少したほか、2月が中国の旧正月春節」で、その期間を中心に企業の生産活動が休止した影響で先月の中国からの輸入額がおよそ20%減ったことなどによるものです。
この結果、輸出から輸入を差し引いた先月の日本の貿易収支は2293億円の黒字となりました。
日本の貿易収支は、原発の運転停止に伴って火力発電向けの天然ガス原油の輸入額が増えたことなどで平成24年7月以降赤字が続いてましたが、先月、33か月=2年9か月ぶりにひとまず赤字に歯止めがかかる形となりました。
今後の見通しについて財務省では、「今月は、中国からの輸入額が増えることが見込まれるため貿易収支の黒字が続くかどうかは分からない」としています。
また昨年度・平成26年度の日本の貿易収支は9兆1343億円の赤字となり、4年連続で赤字となりました。

焦点:貿易黒字定着は困難の声、原油価格反転や海外経済停滞で | Reuters

3月貿易収支が2年9カ月ぶりに黒字転換したものの、黒字定着の見通しは立っていない。海外経済がさえないため輸出数量加速が見込みにくく、原油価格の反転傾向でエネルギー輸入の減少も見込めないためだ。今後、貿易収支は一進一退となり、ゼロ近辺での推移が続くとの観測が広がっている。

3月に黒字化した最大の要因は、輸入の落ち込みだ。「原油価格に数カ月遅れる傾向がある液化天然ガス(LNG)の輸入価格が急落した」(みずほ証券)だけでなく、国内の生産や消費の停滞感もあり、輸入数量が大幅に減少した。


だが、貿易収支黒字化の定着は容易ではなさそうだ。ここまでの過程で、貿易赤字を縮小させてきたいくつかの要因に変化が見られるためだ。


最大の要因と言える原油価格下落のメリットは、もう見込みにくい。ドバイ原油は4月に入り1バレル60ドル台まで上昇。日本の通関入着価格には、約1カ月程度遅れて反映される。


ニッセイ基礎研究所の試算値によると、3月の入着原油価格1バレル54.8ドルから、4月はほぼ横ばいで推移。5月以降は上昇に転じる可能性が高いという。


LNGは、原油価格連動型の長期契約となっているため、しばらく低下が見込まれるものの、夏場以降は上昇に向かうとの見通しだ。


エネルギー輸入価格は底を打ち、貿易修正を改善させてきた効果は、減殺されていく公算が大きい。


また、消費者心理の改善や賃上げなどを通じ、消費の回復が見込まれるとの見方から「内需の拡大に合わせて、輸入数量も増加基調になる見込み」(大和総研)との予測も浮上。この点も黒字定着を妨げる要因として意識されている。


他方、輸出は緩やかな増加基調が続く見通しだが、増加ペースが加速しそうだとの予想は、今のところ少数派だ。


数量ベースでみると、昨年秋以降に実質輸出が伸び、円安効果が表れ始めたとの見方が広がっていた矢先、3月の伸びはわずか前月比0.2%とほぼ横ばいにとどまった。このため、今年1─3月期は昨年10─12月期よりも実質輸出の勢いが減速している。


海外経済の停滞感が、その要因として一部のエコノミストから意識されている。中国経済の景気拡大テンポは一段と緩やかになっており、第一四半期の成長率は7.0%まで減速した。


中国以外のアジア向け輸出も懸念が強い。バークレイズ証券では「1─3月期のアジア向け輸出は、欧米向けに比べて伸び悩んだ。これを反映して、輸出数量の回復ペースに、ややブレーキがかかっている」と分析する。


アジア向け輸出の停滞について、米国経済の減速があるとの分析も出ている。SMBC日興証券では「米国経済が踊り場局面にあり、貿易を通じてアジアや日本に影響を与えるだろう。しばらく輸出は停滞しそうだ」とみている。


輸出が輸入の増加を上回る力強い伸びとならなければ、貿易黒字の拡大は望めそうにない。エコノミストの間では「貿易黒字が定着すると判断するのは時期尚早」(農林中金総合研究所)との慎重な見方で一致しており、「当面の貿易収支は一進一退の推移になるだろう」(第一生命経済研究所)との声もある。


貿易黒字が定着しなければ、成長率の足を引っ張ることにもなる。ニッセイ基礎研究所は、1─3月期の外需寄与度は前期比・年率マイナス0.5%程度と4四半期ぶりのマイナスとなると予想。国内需要の伸びが高まる一方、外需が成長率の押し下げ要因となるため、実質GDP成長率は前期比・年率1%台前半ばになると予想している。