財務省によりますと、輸出から輸入を差し引いたことし４月の「貿易収支」は、１４６２億円の赤字となりましたが、前の年の同じ月に比べて赤字幅は大きく縮小しました。
原油価格の下落などによって輸入額が減った一方で、アメリカ向けの自動車が好調で輸出額が２６か月連続で増えたためです。
また、外国人旅行者が国内で消費した金額から、日本に住んでいる人が海外で消費した金額を差し引いた「旅行収支」は、円安を背景に桜の観賞などを目的に日本を訪れる外国人旅行者が急増したことから、１３３４億円の黒字となりました。
これは、統計が比較できる平成８年以降、１か月間として過去最高で、この「旅行収支」を含めた「サービス収支」は赤字幅が縮小しました。
さらに、海外との利子や配当のやりとりを示す、「第一次所得収支」は２兆１９７１億円の黒字となり、黒字幅が拡大しました。
この結果、日本が海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示すことし４月の「経常収支」は、１兆３２６４億円の黒字と１０か月連続の黒字となり、４月としては黒字幅は５年ぶりに１兆円を超える規模となりました。
