経常収支、11カ月連続で黒字 5月としては8年ぶり高水準 | Reuters
財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は1兆8809億円の黒字となり、11カ月連続で黒字を確保した。
ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値(1兆5420億円の黒字)を上回り、5月としては、2007年同月(2兆1242億円の黒字)以来、8年ぶりの高水準となった。
経常収支が高水準の黒字となったのは、貿易・サービス収支が黒字に転化し、第1次所得収支も黒字の幅を広げたことが主因。
貿易・サービス収支は564億円の黒字、第1次所得収支は2兆0130億円の黒字、第2次所得収支は1885億円の赤字だった。
財務省が発表した、ことし5月の国際収支によりますと、まず、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」は473億円の赤字でしたが、赤字幅は前の年の同じ月と比べて6500億円余り縮小しました。
これは、原油価格の下落でエネルギー関連の輸入額が大幅に減少したことなどによるものです。
また、海外との利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は、海外への直接投資の収益の受け取りが増加したことなどから、2兆130億円の黒字となり、黒字幅が拡大しました。
さらに、日本を訪れる外国人旅行者の増加を受けて「旅行収支」も1031億円の黒字となりました。
この結果、日本が海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示す「経常収支」は1兆8809億円の黒字と、11か月連続の黒字となり、5月としては、リーマンショックの前の年の平成19年以来、8年ぶりの高い水準になりました。