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米国に見るインフレ率上昇 合言葉は「モノよりサービス」|金融市場異論百出|ダイヤモンド・オンライン

 今の米国では、財(モノ)の値段は全般にデフレだ。6月のCPI統計を見ると、財から食品とエネルギー関連を除いた「コア財価格」は前年比でマイナス0.4%である。ところが、「コア・サービス価格」はプラス2.5%とインフレになっている。


 財とサービスの価格変化率の乖離を米「ウォールストリート・ジャーナル」紙が具体的に取り上げている。5年前の価格に比べて、テレビは58%下落だがケーブルテレビ契約料は14%上昇だ。男性のスーツやコートは4%下落でクリーニング代は9%上昇。家庭向けワインは1%下落だがレストランで飲むワインは12%上昇である。スポーツ用品は15%下落だがスポーツ観戦料は17%上昇だ。


 財の方が国際的な価格引き下げ競争が働き、かつ、Eコマースによる値下げ圧力も強く影響しやすい。他方で、米国では人件費の上昇に伴うサービス価格の上昇や、家賃・帰属家賃(持ち家の所有者が自分に賃料を払っていると仮定した場合の家賃)の顕著な上昇があるために、6月のコアCPIは前年比プラス1.8%となった。


 日本では、食品や日用品などの財の価格が円安で上昇している。しかし、米国を見ていると、財でインフレ率を引き上げ続けるのは難がある。しかも、日本の家賃・帰属家賃は、集計方法の問題に加え、人口減少も影響して、米国とは逆に下落している。


 食品価格上昇に不安を抱く年金生活者や低所得層は多いだけに、日本銀行はインフレ率2%を無理に達成すべきではなく、時間をかけて賃金上昇に伴う適度なサービス価格上昇を狙う方がよいだろう。

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