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日本株、過去最大規模の攻防戦 止まない海外勢の売り | Reuters

前週の日本株式市場で、過去最大規模の攻防戦が繰り広げられていた。世界株安が連鎖する中で、海外勢が大量の売りを出す一方、国内の個人投資家や「公的資金」が買い支える対抗図だ。ただ、相場の主導権を握っているのはやはり海外勢。金融緩和効果や世界経済減速への疑念が強まるなか、リスクオフ再開の気配を見せている。

その過去最大規模の「大波」の中で、日本株のポジションも縮小されたわけだが、注目されるのは、売りの主体がヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)など短期筋だけでなかったことだ。長期資金の海外投資家も、日本株を売り始めている可能性が大きい。


ドルベースの日本株が今春以降、急上昇。通常は為替ヘッジをしない海外の長期投資家にとっても利益が乗る水準になっていたことで「益出し売りをしやすかった」(外資系投信)という。4日終値でも、ドルベースの日経平均.N225は、依然として前年比プラス圏だ。


だが、別の見方も浮上している。「日本経済に対する疑念を持つ海外投資家が増えてきた」と、ある外資系証券エコノミストは指摘する。消費、生産、設備投資、物価、いずれも停滞感が強まる中で、アベノミクスへの信頼感が低下してきたことも、日本株売りの背景にあるという。


「今の日本は、政治、経済とも、いい印象を受けない。日銀が追加緩和しても輸入物価だけ上がってしまえば、マイナス効果が強く出てしまう。政策にも手詰まり感が出ている」とJPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は話す。

海外勢の売りに対抗したのは国内勢。国内年金の売買を経由する信託銀行は、8月第4週、現先合計で昨年12月第3週以来となる5155億円を買い越した。市場では公的年金や共済などを含めた「公的資金」の買いとの見方が多い。


日銀のETF(上場投資信託)買いもハイペース。8月第4週は、24日の337億円1回だけだったが、金融調節のデータでみた8月は3494億円の買いとなり、月間最高となった。


公的資金」以上に買いを入れたのが個人だ。8月第4週は現先合計で、2674億円の買い越しだったが、投資信託の7922億円の買い越しと合わせると1兆円超のプラス。海外勢が過去最大の売りを見せるなか、週間で1.5%程度の下げにとどめたのは、こうした個人と公的資金の買いだ。


しかし、海外勢の売りは止まらず、4日の日経平均は一時500円以上の下落となり、26日に付けた安値を割り込んだ。「日本経済への自信というよりも、値ぼれで安くなったから買ったという個人投資家は、大きな損を抱えることになりかねない」(松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)と警戒されている。


#アベノミクス