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銃弾ではなくツイートが飛び交う!「山口組分裂」情報戦の舞台裏と、抗争を煽るマスコミの不見識|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

「もちろん、この先、シノギをめぐる小競り合いや跳ね上がりによる銃撃事件は起きる可能性はある。ただ、山一の時と違って、今は暴対法があるから。ちょっと派手なことをやったら、親分までパクられて、組はガタガタになってしまう。そんな状況で血の雨とか、山一抗争の再来とかはありえない。完全に情報が先行している」


 もっとも、この記者はこんな分析も付け加えた。


「ただ、この情報先行状態は、ヤクザが裏で情報戦をやってるから起きている部分がある。山口組も神戸山口組も自分のところに有利な情報をどんどん流して切り崩しを図っているんだよ。こういうやり方は今まではあんまりなかったんやないないかな」

「分裂騒動について本当のところを知っているのは、離脱組の13団体の組長だけ。3次団体や4次団体になってくると、ヤクザのほうも何が真実かわからない。だから、ヤクザ自ら身内に取材して情報を集めている。ヤクザもネットで情報を収集するという状況になっていて、それがまた2ちゃんねるSNSなどでネットに出回り、まわりまわって警察や記者クラブに渡る」(前出・ベテラン記者)

 もちろん、情報戦の舞台はSNSだけではない。「週刊実話」「週刊大衆」「アサヒ芸能」というヤクザ御用達週刊誌御三家をはじめ、夕刊紙、スポーツ紙、はてはワイドショーにも、双方からかなりの情報が流されているという。


「記事を見ていると、(司忍6代目の出身母体である)弘道会周辺や山口組から情報をとっているものと、山健組などの離脱組団体から情報をとっているものとに分かれてる感じがするね。ライターやメディアも結局、情報をとれたほうによって書くからね。ある種の代理戦争状態になっているかもしれない」(ヤクザ問題に詳しいジャーナリスト)

 9月4日、フジテレビ系のFNNが山口組の定例会で司忍組長が読み上げた手紙を独占入手して報道した一件も、この情報戦の一環だといわれている。


山口組には内紛、離脱、分裂などを繰り返して成長してきたその過程の中で有能な多くの人材を失ってきた歴史の反省と学習があった。人は誰も学習能力がある。彼らはその体験者であるのにもかかわらず、学習能力と反省が無いのかと思うと残念でならない。今、さまざまな形での噂、流言飛語が飛びかっていると聞くが、真実は皆が一番知るところである。軽挙妄動を慎み、この困難な時代にこそ、男としての真髄を極めることを希望する。「道なき道を歩く」、道を切り開くんだという心意気で、前向きに歩むことを望む〉


 FNNが報じた手紙の文章は以上のように、直参組長に抗争抑止を訴える内容だが、前出のジャーナリストはこう分析する。


「8月末には離脱組がどんどん情報を出してたから、それに対抗した情報戦だね。それと、いざ抗争が起きた時に使用者(=組長)が責任を問われにくくするという思惑もある。『私は直参に抗争はやめろと言っていましたよ。報道されている物証があるでしょう』というのは、裁判になったときに有力な証拠になるから」