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焦点:プラザ合意当時と似て非なる今日の外為市場 | Reuters

20カ国・地域(G20)が今日、世界経済と金融市場について声明をまとめるとしたら、以下のような内容でもさほどおかしくないだろう。

これらは先週トルコで開かれたG20財務相中央銀行総裁会議で出された声明の抜粋ではない。今から30年前の9月に調印された、史上最も有名な主要国の経済声明、「プラザ合意」である。


1985年当時と現在の類似点は明らかだ。当時も今も、ドル高は世界の経済成長と資金の流れ、金融政策を動かす主要要素となっている。しかし30年前に比べて遥かに世界の金融市場が複雑に絡み合うようになった今日、政策担当者が為替レートを誘導することはずっと難しさを増している。


1985年9月22日、米国、日本、旧西ドイツ、英国、フランスの主要5カ国(G5)はニューヨークのプラザ・ホテルで、過去7年間で50%超も上昇していたドルを反転させることに合意する。


5カ国の協調は大成功を収め、ドルは2年弱で40%近くも下落。今度はドル安に歯止めを掛けるために「ルーブル合意」をまとめる必要に迫られるほどだった。

現在は30年前のような極端な為替レートのゆがみは認められず、出発点が大きく異なる。


プラザ合意当時に為替取引に関わり始めたナショナル・オーストラリア・バンク(ロンドン)のFXストラテジー・グローバル共同統括、ニック・パーソンズ氏は「異なる資産クラス間の相互の結び付きが大きくなり、為替の動きは以前は見られなかったような形で他の資産に反響を及ぼすようになった」と指摘。「他の資産クラスに連鎖的にもたらすボラティリティは甚大だ」と語る。


主要国の中央銀行政策金利を過去最低水準に引き下げてからというもの、為替レートは政策担当者が輸出競争力、ひいては成長を押し上げる手段として使える数少ないレバーの一つになっている。

為替のボラティリティが突発的に跳ね上る現象が最近何度かあり、投資家と政策担当者の双方に不安を抱かせた。一回は8月24日、ドルがわずか数分で円に対して4円も急落し、その後急反発した例だ。


8月はこれに先立ち、中国が人民元を切り下げ、幾つかの新興国通貨が対ドルで過去最安値を付け、通貨安競争が新たな局面に入っていた。


しかしモルガン・スタンレー(ロンドン)の通貨ストラテジー・グローバル統括、ハンス・レデカー氏は、プラザ合意のような合意を再びまとめたり、市場に直接的な協調介入をするといった行動を起こす「環境は整っていない」と言う。


第一に「だれかが譲歩せざるを得ない」。為替のボラティリティに対処するには、政策当局は相対的期待リターンのかい離という、根っこの問題に手を付ける必要があるという。


レデカー氏は「政策担当者が為替安定化のメカニズムにおいて協調を深めることはできる」と見る。そうしたメカニズムとは財政政策や金融政策、構造改革であり、どれも効果を実感できるまでに数年を要する類のものだ。


#通貨戦争