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第242回 個人と民主主義|塾長雑感

ところが、国会内では、選挙で勝ったのだから与党は民意を反映しているとし、外の国民の声は雑音のごとく無視されました。しかも、現在の国会は各院とも最高裁が2回も違憲状態と断じた選挙による無資格者の集まりでしかなく、なんら民主的正統性はありません。国会の外では立憲主義が叫ばれましたが、国会内では日本を取り巻く安全保障環境が変化したのだから抑止力を高めるのにこの安保法制が必要なのだという一方的な主張が繰り返されました。安保法制の合憲性については、72年政府意見書と砂川事件最高裁判決というまともな法律家ならば考えたこともないような根拠がなんの説得力もなく繰り返されただけでした。


しかも、憲法論と政策論の区別を意識して議論することもできていませんでした。どんなに優れた安保政策であっても憲法の枠内で実現しなければならないし、それが政治家の責任であり、それが立憲主義国家の最低限のルールだという、議論に必要な最低限のフレーム与野党共有できていません。立憲主義というものに重きをおかない人々とは議論がかみ合わないのはむしろ当然でした。今回の国会での議論を通じて、立憲主義を尊重しない非立憲という立場がこの国に存在することがわかったことは収穫でした。

憲法は個人の尊重を最高の価値とします。それが国会の外で、全国で具現化していました。この個人の尊重から民主主義が生まれます。今回の安保法制の成立は日本の民主主義の萌芽といえる重要な出来事であったと思います。こうしたときに法律家や行政官になる皆さんも、より主体的に生きることが求められているのです。

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安保法制成立を立憲主義確立のチャンスに(上) - 木村草太|WEBRONZA - 朝日新聞社