https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

巨大地震 海底でプレート調査 境界にひずみか NHKニュース

東北沖の海底では陸側のプレートの下に海側のプレートが毎年8センチ前後沈み込んでいて、巨大地震の前は陸側のプレートの先端は止まり、ひずみがたまっていました。しかし4年前の巨大地震では、プレート境界で陸側のプレートが最大で50メートル以上東へずれ動き、東北などではその後も陸地の東への変動が続いています。
東北大学などの研究グループは去年9月からことし5月にかけて、宮城県の沖合の深さ7000メートル付近の陸側のプレート上の1か所、海側のプレート上の2か所に観測機器を設置してそれぞれの間の距離を測り、海底のずれ動きがどれくらい続いているか調べる初めての調査を行いました。その結果、去年9月とことし5月の間に距離はほとんど変わらず、陸側のプレートの先端では、すでに東への動きが止まっているとみられることが分かりました。研究グループはプレート境界で再びひずみがたまり始めた可能性が高いとみて、先月さらに5つの観測装置を設置し、今後2年ほどかけてさらに詳しい調査を進めることにしています。研究グループの東北大学の日野亮太教授は「規模の大きな地震が起きたあとには周辺でも大地震が相次ぐことがある。4年前の巨大地震震源で何が起きているかを調べることで、周辺の海域での地震のリスクを考える手がかりにしていきたい」と話しています。

東北大学などの研究グループは音波を使って距離を測る特殊な装置を海底に設置して、プレートの先端の動きを観測する初めての調査を行いました。
東北大学などの研究チームが観測地点に選んだのは、宮城県の沖合およそ200キロにある海側のプレートが陸側のプレートに沈み込み始めている場所です。去年9月からことし5月にかけて、陸側のプレートに1か所と、そこからおよそ7キロとおよそ10キロ離れた海側のプレート2か所に、それぞれ「海底間音響測距装置」という音波を使って距離を測る特殊な装置を設置しました。陸側のプレートに設置された装置からは海側のプレート上に向かって音波が発射されます。海側のプレート上の装置に発射した音波が届くと、海側の装置から陸側の装置に向かって音波が発射され、かかる時間をもとに距離を計算する仕組みです。海中で音波が伝わる速度は海水の温度や塩分の濃度によって変化しますが、水深7000メートルに観測装置を設置したため、比較的安定した環境で調査を行えるということです。
調査の結果、陸側と海側の距離には、去年9月からことし5月までの間にほとんど変化が無かったということです。研究チームでは先月宮城県の沖合に新たに5つの装置を設置し、今後2年ほどかけてさらに詳しい調査を進めることにしています。

今回の海底での地殻変動の観測は、プレート境界での動きを直接調べることで、ひずみがどの程度たまっているかを測ることができます。データが蓄積されれば、巨大地震震源域で起きる地震や、宮城県沖地震をはじめ周辺の海溝で起きる地震の危険性がどの程度高まっているかを知る手がかりになると期待されています。
東北大学などの研究グループは先月から、海側のプレートが沈み込み始めている宮城県の沖合の合わせて5か所に観測機器を設置しました。今後およそ2年間にわたってデータをとる予定で、この海域でのひずみがどうなっているか、直接知る初めての調査となります。
成果が最も期待されているのが、昭和53年をはじめ過去に繰り返し起きてきたいわゆる「宮城県沖地震」です。政府の地震調査委員会はこれまで、宮城県沖でマグニチュード7.4前後の地震が「今後30年以内に99%の確率で発生する」として警戒を呼びかけてきました。しかし、4年前の巨大地震を受けて改めて検討した結果、地震に伴う地殻変動が続いているために、今後どのようにひずみがたまるかが分からず、地震の発生間隔は『不明』としています。また、4年前の巨大地震震源域の北側に当たる三陸沖北部では、巨大地震のあとの地殻変動の影響を受けて周辺でも地震が起きる危険性が高まったとみられるものの、どの程度かは分かっていません。観測結果を応用すれば、こうした地震の発生がどの程度迫っているのか、シミュレーションの精度が大きく向上すると期待されます。
東北大学の日野亮太教授は「青森県福島県茨城県の沖合では、4年前の巨大地震の影響で地震が起きるタイミングが早まる可能性があると考えられる。今回の観測結果を応用して、今後周辺の地域に地震の影響がどのように及ぶかなどを調べ役立ていきたい」と話していました。