丸腰でいくというところがね、この憲法のカッコいいところなんですよ。他の憲法と違う、崇高で悲壮な、何とも言えないドラマティックな精神性が示されている。読む者の心を打つ。理想主義の平和憲法。話し合えば必ず紛争は解決する、暴力は絶対に使わない、ありとあらゆる外交努力をする、ということ。
前にも書いたんだけど、憲法9条の日本思想史における淵源は、柳生新陰流の無刀取り(真剣白刃取り)にあると思うんだな。家康の元和偃武。それを実現するための徳川家剣法指南役(将軍家御流儀)の思想と方法。これからは丸腰でいけと、家康が天下の大名に号令して、宗矩に実演させるわけでしょう。
肩書きは兵法指南役であったが剣を通じて禅や政治を説いたことで「家光の人間的成長を促した教育者」としても評価された。家光が長じた後も、沢庵と共に私的な相談を度々受けて、最後まで信頼され続け、見舞いの床においても兵法諮問に答えている。また、家光も生涯、宗矩以外の兵法指南役を持たなかった。
「活人剣」
「人に勝つ道は知らず、我に勝つ道を知りたり」
宗矩の死後、家光は「天下統御の道は宗矩に学びたり」と常々語ったという(『徳川実紀』)。
家光に「何故自分の剣の腕が上がらないのか」と問われた際、「これ以上は剣術だけではなく、禅による心の鍛錬が必要です」。と答え、その禅の師として配流中の沢庵を推挙し、後に家光が沢庵に帰依するきっかけを作った(『徳川実紀』)。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141006#1412591973
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140807#1407408323
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140806#1407322172
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140805#1407235311
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141124#1416825689(沢庵禅師)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20130104#1357307880(『宮本武蔵』)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100828#1283002205(「観見二つの事、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、ちかき所を遠く見る事、兵法の専也」)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100423#1271980790(「タカトシは海老蔵」の巻)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150811#1439289584(『吉川英治全集・111作品⇒1冊』 [Kindle版])