中国は、ことし7月から9月までのGDP=国内総生産の伸び率が前の年の同じ時期に比べて6年半ぶりの低い伸びとなり、景気の減速が鮮明になっています。
中国の中央銀行「中国人民銀行」は24日から、政策金利とすべての金融機関の預金準備率を引き下げる追加の金融緩和策を行いました。
これについて、中国人民銀行の易綱副総裁は北京で開かれた会合の中で、「これまで何度も金融緩和を行ったが、預金準備率はまだ高く、引き下げる余地はある」と述べ、景気の下支えに向けて、今後も追加の金融緩和を行う可能性を示唆しました。
一方、同じ会合に出席した日銀の中曽副総裁は、上海株の急落や人民元の切り下げをきっかけに世界の株式市場が影響を受けたことについて、「中国の金融当局が市場と、しっかりコミュニケーションを取り、円滑に政策を運営していくつもりがあるのか、疑問が生じた」と述べ、中国政府の対応に課題があったという見方を示しました。
そのうえで中曽副総裁は、中国が公表するデータの透明性を高め、海外の市場参加者との対話の幅を広げるなどして、政策のねらいについて内外の理解を深めるための努力が重要だと指摘しました。