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アングル:商品相場は09年より状況悪化、先行きに一段リスクも | Reuters

商品(コモディティ)市場では原油や銅、石炭が5年超ぶりの安値水準で取引されている。投資家の一部には底入れが近いとみて、買い持ちを増やす動きが出ているが、2009年のような力強い反発を期待する向きには一段の慎重さが求められそうだ。


銅などの工業原料については2008─09年の金融危機後、中国が救世主として登場し、需要拡大のための大規模な景気刺激策を打ち出した。当時、中国の需要下支えの能力は信頼され、銅先物価格のフォワードカーブは期先物ほど価格が高くなる「順ざや」となっていた。


しかし今回ははるかに警戒感が強く、原油・銅・石炭の先物価格は2016年前半にかけて下落からほぼ横ばいとなっている。


中国の経済活動の急減速や資源集約型でない産業へのシフトが原因として挙げられており、銅価格が今年30%超下落する引き金ともなった。この10年間、ベースメタルや鉄の世界最大の消費国だった中国では大量の在庫も積み上がっている。


エナジー・アスペクツのアナリスト、Virendra Chauhan氏は「中国が断固として工業中心の経済から国内消費主導型に転換するならば、金属市場に長期的に強気姿勢をとる理由は見当たらない」指摘する。


原油先物も2009年初めには翌年1月限の価格がスポット価格を30%強上回るなど、先高観が強かった。今はそれほどの楽観論は広がっていない。


先物の2017年1月限は2016年1月限を1バレル=6ドル上回る価格で取引され、かろうじて順ざやを確保しているが、限月間のスプレッドは6年前の半分にとどまる。


2008─09年以降、米シェールオイルの生産量が急増し、中東やロシアも過去最高の生産量に到達したことで、市場の需給関係が崩れて2014年半ばから原油価格は60%下落した。大半のアナリストは供給過剰が2016年以降も続くと予想する。


海峡石油化工(0852.HK) のシンガポール拠点の原油責任者、Oystein Berentsen氏は「横ばいのカーブはシェールオイル・ブームに関係している。価格がわずかに上昇した途端に生産者が売り始めるため、カーブの戻りが妨げられる」と指摘する。


間違いなく最悪の状況にあるのが石炭だ。中国のエネルギー需要のほぼ3分の2を満たす石炭の価格は10年超ぶり安値圏に沈んでおり、先物価格はそれを一段と下回って低迷する。中国が重工業から脱却し、よりクリーンなエネルギー源に軸足を移すにつれ、石炭需要は低下の一途をたどっている。


そのため、米ゴールドマン・サックス(GS.N)など一部のアナリストは、現在の生産体制で将来の需要をまかなうのに十分だとして、これ以上の投資をやめるよう呼びかけている。


一方で、底入れが近いと判断した安値拾いの動きも出ている。データによると、原油と銅に関しては足元でトレーダーのロングポジション(買い持ち)が増える傾向にある。


米原先物の非商業部門のロングポジションは5月以来の高水準にあり、ロンドン金属取引所(LME)銅先物のファンド勢のロングポジションは6月以来の高水準にある。


こうした動きの背景には、原油値下がりで燃料需要が拡大するとの予想や、中国が他の新興国のインフラ事業に進出し、金属の使用が増えるとの期待感がある。これに対し、投資銀行ジェフリーズは需要の伸び悩みは原油価格の主要な下振れリスクだと警告している。

商品価格は大幅下落の恐れ、供給削減は不十分=ゴールドマン | Reuters

投資銀行ゴールドマン・サックス(GS.N)は19日、コモディティ価格が一段と下落する可能性を指摘した。中国などの主要消費国で需要が落ち込んでいるにもかかわらず、エネルギーや金属、農業部門の生産者による供給調整が不十分だとしている。


同行は3カ月先の米原先物CLc1を1バレル=38ドルと予想し、北海ブレント原油先物LCOc1を43ドルと予想する。現在はそれぞれ40.76ドルと44.43ドルだ。


また、ロンドン市場の銅価格は2016年末までに4500ドルに下落すると予想。中国の需要鈍化で下振れする恐れがあるとした。鉄鉱石価格は2016年に1トン当たり44ドル、2017年には40ドルに下落するとみている。


銅の現在の取引価格CMCU3は4600ドルを上回り、鉄鉱石のスポット価格.IO62-CNI=SI は45.80ドルだ。


ゴールドマン・サックスは顧客向けノートに「我々の当初予想をはるかに超えている」低迷ぶりだと記した。


「各市場の供給調整は今のところ不十分で、需要はそれを相殺するほど強くないか、明らかに低下しているかのいずれか。一段安となるリスクが高まっている」と指摘した。


世界経済の成長鈍化や中国における製造業から消費主導型経済へのシフトなどが、原材料価格の低迷が長引く原因となっている。19種類の対象商品で構成される国際商品相場の指標であるロイター・コアコモディティCRB指数.TRJCRB は年初から20%下落し、2008年以来の下げ幅となっている。


米国や石油輸出国機構(OPEC)加盟国の一部に原油減産の兆しがあり、2016年後半には市場が均衡化するとの見方もあるが、金属・資源市場では供給側の対応がさらに緩慢だという。


原油の貯蔵タンクは歴史的高水準に達しており、同行は「供給過剰が物流・貯蔵能力の限界を超えれば、値崩れを引き起こす可能性が高まる」と警告した。