去年行った国勢調査によりますと、日本の人口は1億2711万47人で、前回・5年前の調査と比べて94万7000人余り減りました。国勢調査で人口が減少したのは調査開始以来初めてで、総務省は「日本は人口減少の局面に入った」としています。
国勢調査 「1票の格差」最大で2.334倍に NHKニュース
総務省は26日に発表した国勢調査の速報に基づいて、衆議院と参議院の選挙区ごとの人口を試算しました。
それによりますと、衆議院の295の小選挙区で、議員1人当たりの人口が最も多いのは、東京1区で63万5097人、次いで東京3区で59万9501人、東京5区で59万4968人となっています。
逆に最も少ないのは、宮城5区で27万2077人、次いで福島4区で27万7806人、鹿児島5区で28万920人となっています。
この結果、いわゆる「1票の格差」は最大で2.334倍となり、格差が宮城5区の2倍以上となる選挙区は37選挙区に上ることが分かりました。
また、参議院では、いわゆる「合区」を2か所で行った45の選挙区で比較すると、議員1人当たりの人口が最も多い埼玉と、最も少ない福井との間で、最大で3.075倍となっています。
衆議院の選挙制度の見直しを巡っては、衆議院の有識者調査会が議員定数を小選挙区で6、比例代表で4の合わせて10減らすとともに、都道府県への小選挙区の数の割り振り方を「アダムズ方式」と呼ばれる計算方法に変更するなどとした答申をしていて、議論が行われています。
これを踏まえ、NHKは今回の国勢調査を答申に当てはめて試算しました。
それによりますと、小選挙区は東京で4つ、神奈川で2つ、埼玉、千葉、愛知で1つずつ、合わせて5つの都と県で、9つ増えます。
これに対し、青森、岩手、宮城、福島、新潟、三重、滋賀、奈良、広島、山口、愛媛、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の15の県で、それぞれ1つずつ減り、全体では「9増15減」となります。
これによって、議員1人当たりの人口が最も多い福島と最も少ない鳥取との都道府県の間の「1票の格差」は最大で1.668倍となります。
また、比例代表は東京ブロックで2つ増える一方、東北、北関東、北陸信越、近畿、中国、九州の合わせて6つのブロックで、それぞれ1つずつ減り、「2増6減」となります。
答申に平成22年の国勢調査の結果を当てはめると、「7増13減」だった小選挙区では東京と神奈川で議席が1つ増える一方、新たに福島と山口で議席が1つずつ減り、関係する都県も18から20となりました。
また、「1増5減」だった比例代表では、東京ブロックの定数がさらに1増える一方、1減ることになっていた東海ブロックは定数が今のまま維持され、逆に北陸信越と中国の2つのブロックで新たに定数が減ることになります。
一方、自民党が提案している「アダムズ方式」を適用せずに小選挙区を6つ減らす、「0増6減」の案で試算すると、小選挙区は青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で、それぞれ1つずつ減ることになります。