アメリカ軍は今月11日と12日、バルト海で活動中のアメリカ軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックに対し、ロシア軍の戦闘爆撃機スホーイ24、2機が艦艇の近くを飛行するなど繰り返し接近してきたことを明らかにするとともに、映像を公開しました。
このうち12日には、ロシア軍のヘリコプターが駆逐艦の周囲を7周して写真を撮影したあと、2機のスホーイが11回にわたって駆逐艦の近くを行き来し、最も近い時で30メートル余りの距離まで接近し、海面に波が立つほどだったということです。
スホーイはいずれも外見上、ミサイルなどの武器は装填(そうてん)していませんでしたが、駆逐艦からの無線の呼びかけには一切答えなかったということで、国防総省の当局者は「攻撃を仕掛ける際の飛び方に近く、極めて挑発的だ」と述べて強く反発しています。
ヨーロッパでは、ウクライナ情勢を巡ってロシアと欧米との対立が深まっており、アメリカ軍は態勢を再び強化しています。これについて、ホワイトハウスのアーネスト報道官は「国際的な空域や海域で軍どうしが接近した際に取るべきルールに完全に反しており、平時における軍隊の活動は国際法に従わなければならない」と述べ、強い懸念を示しました。