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戦略コンサルティング会社の面接試験では、どんなコミュニケーション力が求められるか|戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法|ダイヤモンド・オンライン

 クライアントの内部には、外部のコンサルタントが入ってくることを不快に思っている社員もいれば、コンサルタントがミスを見つけて、社内での自分の評価が下がってしまうことを恐れる社員もいる。さらには、なんとかしてコンサルタントの面目をつぶそうとする者までいるのだ。彼らはコンサルタントの発言のあらを探そうとする。

 それゆえ、インタビューのときに志望者は、自分が発する言葉を慎重に選ぶ必要がある。もし、あなたが「クライアントは“常に”○○すべきである」という趣旨の発言をした場合は、インタビュアーがどう切り返してきても、自分の発言を正当化できるようにしておかなければならない。インタビュアーが特に気難しい人物で、あなたが言葉の選択を誤っていると感じた場合には、あなたの発言が必ずしも当てはまらないような複数の状況を提示して、本当にあなたの見解が“常に”正しいのか、その論拠を攻撃してくる可能性もある。

 なぜ、コンサルティング・ファームはこのようなことを行うのだろうか。それは、先述した「往々にして正しくとも、けっして事実に基づく根拠なくして判断してはならない」の原則による。この原則に従うためには、大きく2つのアプローチがある。


1)より多くの事実に基づく根拠を探し出し、結論の妥当性をより強固にする(このアプローチは2)よりも時間はかかる)。
2)すでに持っている事実を用いて、結論の表現を多少マイルドにする。

 クライアントに対してある提案や結論を提示する際は、常に注意を払う必要がある。あなたの分析や結論の正しさは、機械的に決まるものではない。コンサルタントの提案や結論は、クライアントが受け入れやすいようなかたちで伝える必要がある。


 クライアントと友好的な関係を築くことは非常に重要だ。ビジネスマンの中には優れた判断や意思決定を下すことのできる人も多いが、それでも戦略コンサルタントとしては合格点に遠く及ばない場合が多い。このような人たちに共通するのは、相手がどう受け止めているかという気持ちなどは意に介さず、単刀直入に自分の意見を述べることだ。


 たとえば、自分たちが行った分析作業の内容を示さずに結論のみを伝えても、クライアントは到底受け入れられない。

クライアントは、事実として正しいだけでは、コンサルタントの提案を受け入れない。クライアントが受け入れるのは、事実としての根拠に裏付けされ、“自分たちも納得できる”提案である。この“自分たちも納得できる”という条件はきわめて重要だ。それゆえインタビュアーは、単に問題解決の分析能力が優れているだけでなく、相手とのコミュニケーションをうまく取れる人物を求めている。

 インタビュアーは、物事の因果関係を捉えて線形的に思考し、それを言葉で伝えられる志望者を高く評価する(この対極となるのは、思いつくままに発言して話があちこちに飛んでしまう志望者だ)。


 インタビュアーが好むのは、Aという事象からBということが言え、BからはCということが言えるので、AはCにつながるという考え方ができる志望者だ。たとえ最終的には事実に裏付けされた結論にたどり着けたとしても、その過程でAからUに飛び、さらにFからTへ議論が移っていくような話し方をする志望者は、不採用となる可能性が高い。結論に至るまでのプロセスをクライアントにきちんと理解してもらわない限り、その結論が正しいかどうかは無意味となるのだ。


 また、相手がクライアントの上層部にいる経営陣の場合は、彼らがコンサルタントの議論についていけなかったとしても、正直に「理解できない」とは言わないことが多い。彼らはプレゼンテーションの場では、あたかもコンサルタントの発言を理解しているかのようにうなずきながらも、最終的な提案には同意しない。