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出世のスピードは質問の多さに比例する|Q思考 シンプルな問いで本質をつかむ思考法|ダイヤモンド・オンライン

 私はプロのジャーナリストとして、これまでいつもだれかに、何かを問い続けてきた。けれども数年前までは、質問の技術、あるいはコツについて真剣に考えたことなどなかった。人がイノベーションを起こし、問題を解決し、仕事や生活を進めるうえで「疑問を抱くこと」、あるいは「質問をすること」がいかに重要な役割を果たしているか、なんてことにはまったく気がついていなかった。


 それが変わったのは、デザイナーや発明家、エンジニアがどのようにアイデアを思いついたり問題を解決したりするかについて記事を書き、一冊の本にまとめたときのことだ。取材の過程で、世界トップクラスのイノベーターや創造性に富む人たちの話を聞いたのだが、彼らが課題に取り組む方法には、成功のための魔法の公式も、「これしかない」というたった一つの説明もなかった。


 ところが、世の中のルールを変えるほどの偉業を成し遂げた人たちの共通点を探っているうちに、彼らの多くが、疑問を抱き、質問をすることが抜群にうまいということに気がついたのだ。

「画期的なイノベーションを実現する」「世間の注目を浴びるような新興企業を立ち上げる」「難攻不落の難問に対する革新的な解決方法を発見する」といった偉業は、一つの疑問(または一連の疑問)とその答えが出発点となっているのではないか、と思えてきた。

 グーグルが、会長が言うように「疑問のうえを走り続けている」企業であることはよく知られている。スティーブ・ジョブズやアマゾンのジェフ・ベゾスも、あらゆることに疑問をぶつけて成功の階段を上っていった。


 ところが、いざこのテーマを追い始めてみると、本当の意味で「問うこと」を促している企業など実際にはほとんどないことがわかってきた。

 教育の世界でも同じことが言えそうだった。学校現場で話を聞くと、先生方には、この問題に対する純粋な興味をひしひしと感じた。生徒が良い質問を自分で考え、それをぶつけられるようになることがいかに重要か、多くの先生がわかっていた。このスキルを身につけておけば、子どもたちが将来、いまよりも複雑な状況に出合ったときや、世界の変化のスピードが速くなったときにいっそう役に立つと考えている先生もいた。


 ところが、質問の技術を教えている学校はなぜかほとんどなかった。どこの学校でも、覚えたことを正確に答えてほめられることはあっても、質問をしてほめられることはまずない。

アインシュタインの名言とされているものの一つに(これを本人が本当に言ったかどうかは別として)、こんなものがある。


「もし私がある問題を解決するのに1時間を与えられ、しかもそれが解けるか解けないかで人生が変わるような大問題だとすると、そのうちの55分は自分が正しい問いに答えようとしているのかどうかを確認することに費やすだろう」