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へーゲルの「弁証法」とはいかなるものなのか。 - 哲学者=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記2』

《人間の理性はその認識の或る種類において奇妙な運命をもっている。すなわちそれが理性に対して、理性そのものの本性によって課せられのであるから拒むことはできず、しかもそれが人間の理性のあらゆる能力を越えているからそれに答えることができない問いによって、悩まされるという運命である。》(カント『純粋理性批判』)


つまり、カントは、人間の理性は、たとえば、「経験科学」を越えたものを思考できないにもかかわらず、そ境界線を越えて、より深い世界を思考しようとする運命を持っているというわけだ。人間の理性は、理性で思考できないものを思考しようとする・・・。カントはそこで立ち止まろうとするが、へーゲルはそこを突破して大胆に先へ行こうとする。

 カントは、『純粋理性批判』を出版するまで、10年間沈黙していたといわれる。こカントの「10年間の沈黙」とは何か。カントは、この10年間に、「リスボン地震」を予知・予言したスウェーデンボルグの「超能力」や「霊能力」を研究していた。科学者であり、霊能力者であったスウェーデンボルグの「超能力」をなかば認めながらも、近代科学を合理的に根拠づけを、つまり近代理性の客観性を根拠づけるために、理性的思考力とスウェーデンボルグ的超能力と区別し、限界付け、境界線を設ける必要があったからだ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141123#1416739003(不可思量のところについて思量せよ。)