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経営者は「儲けたい」「会社を大きくしたい」という我欲を起点にしがちです。しかし、本来は「人間として何が正しいか」を起点に置くべきです。自分の会社に都合がいいことばかりを選ぶのではなく、たとえ会社に不利であっても人間として正しい道を選ぶ。

中国の司馬光という人が書いた『資治通鑑』という本によると、人間の能力を「才」、人間性を「徳」とした場合、才も徳もある人は「聖人」、徳が才に勝る人は「君子」、才が徳に勝る人は「小人」、才も徳もない人は「愚人」だそうです。


会社に聖人や君子がいれば、その人をリーダーにすればいい。しかし、なかなかそんな立派な人は見つかりません。そこで多くの会社では小人をリーダーにしてしまう。これが危ないのです。才があっても人間性のない人は己の栄達のために会社を危うい方向に持って行く恐れがある。長い目で見れば、小人よりは愚人のほうが成長します。

私も京セラを立ち上げたばかりの20代の頃、少し天狗になっておりました。

7月13日、14日の2日間、横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)の国立大ホールを約4800人の大観衆が埋め尽くした。稲盛氏が塾長を務める経営者向けの私塾「盛和塾」が年に一度開く世界大会である。


参加者の大半が中堅、中小企業の経営者たちだが、他にも横綱白鵬、サッカーの元日本代表監督、岡田武史氏、柔道のオリンピック金メダリスト、山下泰裕氏などが塾生に名を連ねる。

私は望んだ大学に進むことができず、大手の企業に入ることもできませんでした。鹿児島大学を出て入社したのは、京都にある松風工業という碍子を作る会社でした。入社するまで知らなかったのですが、この会社は今にも潰れそうな状態で、給料の遅滞もしばしば。近所の八百屋のおばさんにまで「かわいそうにねえ」と同情されました。


そんな会社ですから、いつも同期と「早く辞めてしまおう」と話していました。実際、ある時には京都大学の工学部を出た同期と、陸上自衛隊の幹部試験を受けに行きました。彼は松風を辞めて陸自に行きましたが、私は、私を大学に行かせてくれた兄が「せっかく入れてもらった会社を1年やそこらで辞めるのはけしからん」と反対したので松風に残ることになりました。


開き直った私は、松風でセラミックの研究に打ち込みました。今にも潰れそうな会社ですから、生きていくために必死です。すると不思議なことに、どんどん成果が出て、画期的なファインセラミックスの製品をいくつも開発することができました。それがきっかけで京セラを興し、私の経営者人生が始まりました。


今考えれば、私の人生の中で松風工業に入社したのは、最高に幸せなことでした。ひょっとしたら神様があの会社に入れてくれたのかもしれません。

ここでいう「君子」は、「徳が才に勝る人」に過ぎないから、取り立てて「立派な人」ではない。

#愚者の楽園

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安岡正篤先生 - 『 「徳」(小人と大人)  (胆識、器量に関連して、) 人間の本質を「徳」と申します。... | Facebook

[新装版]人生の大則: 人間学講話 - 安岡 正篤 - Google ブックス

絶対的に君子というものを採って、小人を排し、小人よりむしろ才なき愚人を採った人である。


 それには以前も書いたように論語や仏教の本、松下幸之助さん、稲盛和夫さんらの本を何度も読んで実践する努力が不可欠です。

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