https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

https://pbs.twimg.com/media/DLrzHp4X4AAvqew.jpg


セイラー氏は、消費など人々の身近な経済活動を心理学の要素を交えて分析する「行動経済学」の権威として知られています。具体的には、商品の価格を下げたり、人々の所得を引き上げたりするのではなく、適切な情報を提供することで、人々に行動を促し社会を望ましい状態に導く「ナッジ」という考え方を提唱しました。この考え方は節電の促進や肥満の防止など欧米の公共政策に大きな影響を与えたとされています。


また「オークション」で商品を高値で落札した人を例に挙げ、落札した人はその喜びからみずからを『勝者』と感じるものの、経済学的には、合理的でない価格で購入したことになるとして、そうした消費行動を『勝者の呪い』と呼んで、人々の経済活動の非合理性を指摘しました。


セイラー氏の行動経済学に関する著書は、アメリカでベストセラーになっていて、多くの市民に読まれているほか、日本でも販売されています。


ノーベル経済学賞の選考委員会は授賞理由について「個人は完全に合理的には行動できないこと、社会的な背景を踏まえ選択すること、そして自分自身をコントロールできないことなど、人間の持つ特徴が個人の経済的な決定や市場にどのように影響を与えているかを示した」としています。

ノーベル経済学賞の選考委員会は授賞理由について「セイラー氏は経済的な決定をする際の分析に心理学的な要素を取り入れた。個人は完全に合理的には行動できないこと、社会的な背景を踏まえ選択すること、そして自分自身をコントロールできないことなど人間の持つ特徴が個人の経済的な決定や市場にどのように影響を与えているのか示した」としています。


そのうえで「彼の貢献は個々の人の経済的な意思決定の分析において経済学と心理学の橋渡しをしたことだ。セイラー氏が導き出した理論は、行動経済学の新たな分野を急速に拡大させ、多くの経済研究や政策に影響を与えた」としています。

ノーベル経済学賞の受賞者を発表した記者会見で、セイラー氏は電話インタビューに応じ「私の研究で最も重要なのは、経済の主体は人間であり、経済モデルはそれに立脚しなければならないという認識だ」と述べました。


また日本円でおよそ1億2500万円にのぼる賞金の使い方を聞かれたセイラー氏は「できるだけ非合理的に使おうと思います」とユーモアを込めて答えていました。