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ロス商務長官は13日、ワシントンで開かれた、日米の経済関係者らが集まる会合で講演しました。


この中でロス長官は、「日本やほかのアジア諸国は、常に自由貿易を支持すると言うが、実際にはアメリカより保護主義的だ」と述べ、日本の農産物は関税が高く、アメリカを保護主義的だとする批判はあたらないと指摘しました。
そのうえで、自動車市場について、「日本は、高品質の自動車を製造しているので、なぜ自国の産業を保護する必要があるのか理解できない」と述べ、貿易赤字を削減するため、日本の自動車市場に存在するとしている非関税障壁の見直しを求めるなど2国間の貿易協定の交渉を進めることに意欲を示しました。


一方、ロス長官は、トランプ大統領が今月初め、日本を訪問したことについて、「安倍総理大臣とは相性がとてもいい」と述べ、両首脳の関係は良好だと評価しましたが、日米の貿易の現状には不満を示した形です。


シュロモ・アヴィネリ ヘブライ大学政治学教授

なぜ20世紀に民主主義が生き残り、ファシズム共産主義も淘汰されてしまったのか。1930年代から21世紀初頭にいたるまで、ヨーロッパ全域が民主化すると考えるのは現実離れしていたし、リベラルな民主主義が勝利を収める必然性はどこにもなかった。なぜ、社会に提示できるものをもち、圧倒的な力をもっていたマルクス主義がリベラルな民主主義に敗れ去ったのか。そしていまや、多くの人が(民主主義を支える経済制度である)資本主義が経済利益を広く社会に行き渡らせる永続的な流れをもっているかどうか、疑問に感じ始めている。ヨーロッパとアメリカの昨今の現実をみると、民主的政府は危機に適切に対応できず、大衆の要望を満たす行動がとれなくなっている。現在、世界が直面する危機によって、市場原理主義、急激な民営化、新自由主義では、「近代的でグローバル化した経済秩序をどうすれば持続できるか」という問いの完全な答えにはなり得ないことがすでに明らかになりつつある。・・・


フランシス・フクヤマ
スタンフォード大学シニアフェロー

社会格差の増大に象徴される現在の厄介な経済、社会トレンズが今後も続くようであれば、現代のリベラルな民主社会の安定も、リベラルな民主主義の優位も損なわれていく。マルキスト共産主義ユートピアを実現できなかったのは、成熟した資本主義社会が、労働者階級ではなく、中産階級を作り出したからだ。しかし、技術的進化とグローバル化中産階級の基盤をさらに蝕み、先進国社会の中産階級の規模が少数派を下回るレベルへと小さくなっていけば、民主主義の未来はどうなるだろうか。問題は、社会民主主義モデルがすでに破綻しているにも関わらず、左派が新たな思想を打ち出せずにいることだ。先進国社会が高齢化しているために、富を再分配するための福祉国家モデルはもはや財政的に維持できない。古い社会主義がいまも健在であるかのように状況を誤認して、資本主義批判をしても進化は期待できない。問われているのは、資本主義の形態であり、社会が変化に適応していくのを政府がどの程度助けるかという点にある。