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朝御飯を済ませると奥穂高岳を目指す人、涸沢へ下山する人、奥穂高岳への登頂をあきらめて、涸沢岳に登る人に別れていく。
僕は98座目「穂高岳奥穂高岳)」に向けて登った。

あとからのニュースで知ったことだが、西穂高岳から20日に縦走を開始した登山者3名が、ジャンダルム下のロバの耳にて、風雪により動けなくなり、日没後に長野県警に救助を求めたそうだ。行動計画の詳細は分からないが、この初冬の不安定なコンディションに、ビバーク装備を一切携帯していなかったという。昨晩の気温は標高3000メートルで-8度だった。1名は亡くなったそうだ。他2名が良く生きて一夜を明かせたことにも驚いた。

遭難事故を目の当たりにして、北穂高岳から大キレットを抜けていくことを改めて冷静に考え直し、自分が向かうルートは「自分とコンディションがイコール」であるかどうかを確かめた。結果は即決で「否」だった。
北穂高岳から長谷川ピークまでの下りは、雪がない状況でも滑落事故が多い。それに雪があればなおさらリスクは高くなる。ロープを使って、確保をしながらならば、通過できる確率も上がるだろうが、その装備はない。
コンディション以上に自分自身に自信がなかった。不安要素が多すぎるときは、精神的にゆとりが少ないために、冷静な判断や行動ができにくくもなる。
総合的に判断して、涸沢岳に登って、涸沢へと下山することにした。

穂高岳山荘前には「私でも行けますか?この装備でも行けますか?」と自分自身で状況を判断できない人が数人いた。
自信の無いもの同士が、互いの不安を打ち消すように「どうですかね~?一緒に行けませんか?」と即席のパートナーやパーティー作りをしている。
その光景を遠目に見て、静かに横尾まで下山した。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/05/200552呂敏
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/04/200545(「行くか行かんか、そいはあなたが決めやんせ。行ってみたかちゅ思うんなら、行ってくればよか。人に訊くことではあいもはん。」)

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/21/200530